CASEとMaaS
CASEは、自動車の変革を表す、コネクテッド、自動運転、シェアリング・サービス化、電動化の4つのキーワードの総称です。MaaSは、複数の交通手段をシームレスに組み合わせ、移動に必要な検索・予約・決済などを一括で提供するサービスです。
最終更新日:2026年10月11日
このページで覚えること
このページでは、次の4点を押さえます。
- CASEの4つの要素と、それぞれが表す変革
- コネクテッドカーとテレマティクスの意味
- 自動運転の基本的な仕組みと、自動運転レベルの違い
- MaaSの特徴と、CASEとの関係
導入トーク

大原夢乃
今回の学習内容はCASEとMaaSです。

大原夢乃
そんなことないと分かってて言ってますよね?
今回学習するのは「ケース」と「マース」です。

大原夢乃
なるほど、様式美ですか……。
香苗先生にも報告しておきますね。

大原夢乃
では、冗談はここまでにして。
今回は、自動車や移動サービスについて学習します。

大原夢乃
はい。どちらも自動車に関係しています。
ただし、MaaSは自動車だけではなく、電車やバスなども含めた移動全体に関係するサービスです。

大原夢乃
そのとおりです。
まずは、CASEから順番に確認していきましょう。
STEP 1
CASE

大原夢乃
CASE(ケース)は、自動車業界で進んでいる4つの大きな変革を表す言葉です。
次の英語の頭文字を組み合わせています。
| 頭文字 | 英語 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| C | Connected | コネクテッド | 自動車が通信ネットワークにつながり、交通情報などをやり取りする |
| A | Autonomous | 自動運転 | システムが周囲の状況を認識し、運転を行う |
| S | Shared & Services | シェアリング・サービス化 | 必要なときに自動車を共同利用したり、移動サービスを利用したりする |
| E | Electric | 電動化 | 電気自動車など、モーターを動力に使う自動車が普及する |

大原夢乃
はい。その4つのキーワードです。
自動運転と電動化は分かりますよね?

大原夢乃
そうですね。
シェアリングも、カーシェアリングという言葉を聞いたことはありませんか?

大原夢乃
はい。よく知っていますね。
では、コネクテッドはどうですか?
コネクテッドカーという言葉もあります。

大原夢乃
では、まずコネクテッドカーから見ていきましょう。
ここで覚えること
- CASEは、自動車に関する4つの大きな変革を表す。
- C=コネクテッド、A=自動運転、S=シェアリング・サービス化、E=電動化
STEP 2
コネクテッドカーとテレマティクス

大原夢乃
Connectedには、「接続された」という意味があります。
CASEのCにあたる部分ですね。

大原夢乃
コネクテッドカーは、インターネットなどの通信ネットワークにつながり、外部と情報をやり取りできる自動車です。

大原夢乃
ラジオは基本的に情報を受け取るものですね。
カーナビの中には、通信機能を備えたものもありますよ。
コネクテッドカーでは、通信ネットワークを使って外部と双方向に通信できます。

大原夢乃
そうですね。
例えば、最新の渋滞情報を受け取り、混雑を避ける経路を案内できます。
また、自動車の位置や状態を外部に送ることで、事故が起きた際の救援や、自動車の管理などにも役立てられます。

大原夢乃
はい。
そして、このように通信を使って位置情報や走行情報などをやり取りし、さまざまなサービスに活用する仕組みをテレマティクスといいます。

大原夢乃
いいえ。テレマティクスは、自動車に限らず、船舶などでも利用されます。
特に自動車で利用するテレマティクスは、カーテレマティクスとも呼ばれます。

大原夢乃
そうですね。
例えば、会社が所有する複数の自動車から、位置情報だけでなく、走行距離や燃料・バッテリーの状態などを受け取り、一括して管理することができます。

大原夢乃
そうですね。
走行データを分析して、安全運転の指導に役立てることもできます。
運転の状況に応じて保険料に反映する、テレマティクス保険という活用例もあります。
| 活用例 | 内容 |
|---|---|
| 交通情報の提供 | 自動車の走行情報などから混雑状況を把握し、経路案内に活用する |
| 緊急通報 | 事故の発生や自動車の位置を伝え、救援につなげる |
| 車両管理 | 自動車の位置や走行状況、状態などを会社側で確認する |
| 安全運転の支援 | 急加速・急ブレーキなどの記録を分析し、運転の改善に役立てる |

大原夢乃
はい。
コネクテッドカーは、外部と通信できる自動車に注目した言葉。テレマティクスは、通信によって得られた情報を活用することに注目した言葉として整理するとよいでしょう。
ここで覚えること
- コネクテッドカー=通信ネットワークにつながり、外部と情報をやり取りできる自動車
- コネクテッドカーでは、情報を受け取るだけでなく、自動車から送ることもできる。
- テレマティクス=通信を使って位置情報や走行情報などをやり取りし、さまざまなサービスに活用する仕組み
- 自動車で利用するテレマティクスは、カーテレマティクスとも呼ばれる。
STEP 3
自動運転

大原夢乃
次は自動運転です。
CASEのAにあたる部分です。

大原夢乃
そうですか。
では、自動運転とはどのような技術なのか、説明してみてください。

大原夢乃
では、どんなときにブレーキをかければよいのでしょう?

大原夢乃
そうですね。
では、その自動車や人がいることを、どうやって知るのでしょう?

大原夢乃
そこが大切なんです。
自動運転では、アクセルやブレーキ、ハンドルを操作するだけではありません。
カメラやレーダーなどのセンサを使って周囲の状況を認知し、その情報をもとにどう動くかを判断して、実際に自動車を操作します。

大原夢乃
はい。
画像から歩行者や自動車などを見分ける処理には、AIも活用されています。

大原夢乃
そうですね。
自動運転では、認知・判断・操作という流れが重要になります。
| 作業 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 認知 | 周囲に何があるかを把握する | 前方の自動車や歩行者、信号、車線などを認識する |
| 判断 | 状況をもとに、どのように動くかを決める | 前方の自動車が減速しているため、自分も速度を落とす |
| 操作 | 自動車を実際に動かす | アクセルやブレーキ、ハンドルを制御する |

大原夢乃
自動運転には、交通事故の削減や運転の負担軽減に加えて、移動手段の確保といった役割も期待されています。
例えば、自分で自動車を運転することが難しい人の移動や、運転者が不足している地域の交通を支えることです。

大原夢乃
そうですね。
ただし、自動化の程度によって、人とシステムの役割は異なります。
次は、自動運転レベルを見ていきましょう。
ここで覚えること
- 自動運転では、認知・判断・操作という流れが重要。
- 周囲の認知には、カメラやレーダーなどのセンサを利用する。
- AIも、自動運転を実現するための技術として活用されている。
STEP 4
自動運転レベル

大原夢乃
運転がどの程度自動化されているかは、レベル0からレベル5までの6段階で整理できます。

大原夢乃
大まかには、その理解で大丈夫です。
特に、誰が運転の主体になるのか、人への引継ぎが必要なのか、どのような条件で走れるのかに注目してください。
| レベル | 名称 | 主な内容 | 運転の主体 |
|---|---|---|---|
| 0 | 運転自動化なし | 人が運転操作を行う | 人 |
| 1 | 運転支援 | ハンドル操作か、加速・減速のどちらかをシステムが継続的に支援する | 人 |
| 2 | 部分運転自動化 | ハンドル操作と加速・減速の両方をシステムが継続的に支援する | 人 |
| 3 | 条件付運転自動化 | 一定の条件下でシステムがすべての運転を行い、必要なときは人が引き継ぐ | 自動運転中はシステム |
| 4 | 高度運転自動化 | 限定された条件下で、人への引継ぎを前提とせず、システムがすべての運転を行う | システム |
| 5 | 完全運転自動化 | 人が運転できる道路環境で、走行条件を特定の範囲に限定せず、システムがすべての運転を行う | システム |

大原夢乃
一つずつ確認しましょう。
まず、レベル0は、人が運転操作を行う段階です。
危険を知らせる警告や、一時的なブレーキ支援があっても、それだけでレベル1以上になるわけではありません。

大原夢乃
レベル1では、ハンドル操作か、加速・減速のどちらかをシステムが支援します。
例えば、前方の自動車との距離を保つようにアクセルやブレーキを支援する機能があります。
反対に、車線の中央付近を走るようにハンドル操作を支援する機能もあります。

大原夢乃
はい。
ただし、レベル1ではどちらか一方です。
アクセル・ブレーキとハンドルの両方を継続的に支援するようになると、レベル2です。

大原夢乃
レベル2でも、周囲の安全を監視しながら運転するのは人です。
必要なときには、人が操作しなければなりません。
操作の支援があっても、運転の主体は人なのですね。

大原夢乃
そのとおりです。
次のレベル3では、一定の条件が満たされている間、周囲の監視も含めて、システムがすべての運転を行います。
ただし、システムから求められたときに、人が運転を引き継げる必要があります。

大原夢乃
例えば、走行できる道路の種類や場所、天候、速度などです。
「高速道路の渋滞中」といった条件で使う自動運転を考えると、イメージしやすいでしょう。

大原夢乃
はい。
続いて、レベル4です。
こちらも走行できる場所や条件は限定されますが、その範囲では、人への運転の引継ぎを前提としません。
運転を続けられなくなった場合にも、安全に停止するなどの対応をシステムが行います。

大原夢乃
そのとおりです。
例えば、決められた地域や経路、運行条件のもとで、運転者を乗せずに走る自動運転バスなどが、この段階の例になります。

大原夢乃
はい。
そして、レベル5では、レベル4のように走行できる場所や条件を特定の範囲に限定せず、人が運転できる道路環境で、システムがすべての運転を行います。

大原夢乃
はい。
レベル3以降は、特に違いをしっかり区別しておきましょう。
ここで覚えること
- レベル2と3:レベル2は人が運転の主体。レベル3は、条件が満たされている間、システムが運転の主体になる。
- レベル3と4:レベル3は必要時に人が運転を引き継ぐ。レベル4は、人への引継ぎを前提としない。
- レベル4と5:レベル4は走行条件が限定される。レベル5は、人が運転できる道路環境で、そのような限定がない。
STEP 5
シェアリング・サービス化

大原夢乃
次は、シェアリング・サービス化です。
CASEのSにあたる部分です。

大原夢乃
そうですね。
より正確にいうと、シェアリングは、一台の自動車を複数の人で共同利用するという考え方です。

大原夢乃
はい。代表的なのが、カーシェアリングです。
複数の利用者が、必要な時間だけ自動車を利用します。
例えば、普段は電車で移動している人が、週末の買い物や荷物の運搬のために、数時間だけ自動車を利用することが考えられます。

大原夢乃
そのとおりです。
利用者にとっては、自分の自動車を持たずに、必要なときだけ利用できるという利点があります。
また、CASEのSには、共同利用だけでなく、自動車や移動をサービスとして利用するという考え方も含まれています。

大原夢乃
例えば、スマートフォンなどから自動車を呼び、目的地まで移動するサービスがあります。
自動車そのものを所有するのではなく、必要なときに移動するためのサービスを利用するわけですね。

大原夢乃
はい。
自動車に関わるビジネスが、自動車の販売だけでなく、利用や移動を支えるサービスにも広がっていくのですね。
ここで覚えること
- S=シェアリング・サービス化
- カーシェアリングでは、一台の自動車を複数の利用者で共同利用する。
- 自動車そのものを所有するだけでなく、必要なときに移動サービスを利用する考え方も含まれる。
STEP 6
電動化

大原夢乃
最後は、電動化です。
CASEのEにあたる部分です。

大原夢乃
電気自動車は代表的な例ですね。
ただし、電動化は電気自動車だけを指すわけではありません。
電気自動車は、バッテリーに蓄えた電気でモーターを動かして走ります。
このほか、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド自動車なども、電動化に含まれます。

大原夢乃
はい。
自動車を動かすために、電気で動くモーターを活用することがポイントです。
電動化が進められている理由の一つには、環境負荷を小さくすることがあります。
例えば、電気自動車は走行中に排気ガスを出しません。

大原夢乃
そう単純でもありません。
電動化には、まださまざまな課題があります。
例えば、バッテリーの価格や性能、充電にかかる時間、充電設備の整備などです。

大原夢乃
そうですね。
そのため、電気自動車だけでなく、ハイブリッド自動車なども含めて、さまざまな方法で電動化が進められています。
ここで覚えること
- E=Electric=電動化
- 電動化では、自動車の動力に電気で動くモーターを活用する。
- 電気自動車だけでなく、ハイブリッド自動車なども電動化に含まれる。
- バッテリーや充電設備など、電動化には課題もある。
STEP 7
MaaS

大原夢乃
ここからは、MaaS(マース)について学習します。
Mobility as a Serviceの略です。

大原夢乃
移動や、移動するための手段に関わる言葉です。
MaaSは、電車、バス、タクシー、シェアサイクルなど、複数の交通手段を組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で行えるようにするサービスです。

大原夢乃
はい。
では、休日に少し離れた観光地へ出掛ける場面を考えてみましょう。
例えば、次のように移動するとします。
| 移動する区間 | 利用する交通手段 |
|---|---|
| 自宅の最寄り駅から、観光地の駅まで | 電車 |
| 観光地の駅から、市場まで | バス |
| 市場から、海辺の公園まで | シェアサイクル |

大原夢乃
ただ、移動の準備では、電車の時刻を調べ、バスの経路を確認し、自転車を借りられる場所や空き状況を調べる、といった作業が必要になります。

大原夢乃
そこで、MaaSです。
例えば、一つのアプリで出発地と目的地を指定すると、電車、バス、シェアサイクルを組み合わせた移動経路が示されます。
さらに、必要な予約やチケットの購入、料金の支払いまで、まとめて進められるようにするのです。

大原夢乃
そのとおりです。
利用者は、「どの会社の乗り物を使うか」だけでなく、目的地までどう移動すればよいかを、一つのまとまりとして考えられます。

大原夢乃
経路を調べるところは、共通していますね。
MaaSでは、交通手段を横断して、検索から予約、決済などまでをつなぎ、移動全体を利用しやすくすることが特徴です。

大原夢乃
例えば、次のような希望に合わせた経路を選べるようにすることも考えられます。
- 到着までの時間を短くしたい。
- 交通費を抑えたい。
- 歩く距離や乗換回数を少なくしたい。

大原夢乃
そうですね。
行きと帰りで、使いやすい交通手段が変わることもあります。

大原夢乃
また、MaaSは観光だけのものではありません。
通院や買い物などの日常の移動でも、公共交通や移動サービスを組み合わせ、自動車を運転できない人も移動しやすくすることが期待されています。

大原夢乃
はい。
交通に加えて、観光施設の入場券や宿泊、飲食店の予約などと連携する取組もあります。
移動と、その先にある目的を、まとめて支える考え方ですね。
ここで覚えること
- MaaS=Mobility as a Service
- 複数の交通手段を組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で提供する。
- 観光だけでなく、通院や買い物など、日常の移動にも役立つ。
- 交通と、宿泊・観光などのサービスを連携させることもある。
STEP 8
CASEとMaaSの関係

大原夢乃
ここまで学習したCASEとMaaSの関係を、整理しておきましょう。
| 用語 | 注目すること |
|---|---|
| CASE | 自動車の技術や利用方法に関する4つのキーワード |
| MaaS | 複数の交通手段をつなぎ、移動全体を一つのサービスとして利用しやすくすること |

大原夢乃
そのとおりです。
CASEとMaaSは、今回のように一緒に説明されることも多く、どちらも自動車や移動サービスに関係する重要なキーワードです。
ただし、CASEとMaaSは本来別の概念です。

大原夢乃
はい。
例えば、カーシェアリングや自動運転バス、コネクテッドカーなど、CASEに関係する自動車やサービスをMaaSの中で利用することもできます。
一方で、MaaSは既存の鉄道やバス、タクシーなどを組み合わせても実現できます。

大原夢乃
そのとおりです。
一緒に説明されることは多いですが、それぞれ別の概念として区別して覚えておきましょう。
ここで覚えること
- CASEとMaaSは、自動車や移動サービスに関係する重要なキーワード。
- CASEとMaaSは、本来は別の概念。
- CASEに関係する自動車やサービスを、MaaSで活用することもできる。
STEP 9
今日のまとめ

大原夢乃
今回は、CASEとMaaSについて学習しました。
まずは、CASEの4つを確認しましょう。
| 要素 | 覚える内容 |
|---|---|
| C:Connected | コネクテッド |
| A:Autonomous | 自動運転 |
| S:Shared & Services | シェアリング・サービス化 |
| E:Electric | 電動化 |

大原夢乃
はい。
コネクテッドカーは、通信ネットワークにつながり、外部と情報をやり取りできる自動車でした。
通信を使って位置情報や走行情報などをやり取りし、さまざまなサービスに活用する仕組みが、テレマティクスです。

大原夢乃
そのとおりです。
また、自動運転では、周囲の状況を認知し、どう動くかを判断して、実際に自動車を操作します。
そして、自動運転レベルは次のように整理しました。
- レベル0~2:人が運転の主体。レベル1・2では、システムが運転操作を支援する。
- レベル3:条件が満たされている間はシステムが運転し、必要なときには人が引き継ぐ。
- レベル4:限定された条件下で、人への引継ぎを前提とせず、システムが運転する。
- レベル5:人が運転できる道路環境で、走行条件を特定の範囲に限定せず、システムが運転する。

大原夢乃
はい。
違いをしっかり区別しておきましょう。
シェアリング・サービス化では、自動車を複数の人で共同利用したり、移動そのものをサービスとして利用したりする考え方を学習しました。
電動化では、電気自動車だけでなく、ハイブリッド自動車なども含めて、自動車の動力にモーターを活用します。

大原夢乃
そして、MaaSは、複数の交通手段を組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で提供するサービスです。

大原夢乃
はい。
CASEとMaaSはどちらも自動車や移動サービスに関係する重要なキーワードですが、同じものではありません。
それぞれ別の概念として整理しておきましょう。

大原夢乃
移動の選択肢が増えるのは、大きなメリットですね。
それでは、最後に確認問題で今日の内容を確かめてみましょう。
STEP 10
確認問題
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