機械学習
機械学習は、コンピュータがデータから特徴や規則性を学び、予測や判断などに活用する技術です。機械学習の種類には、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などがあります。
最終更新日:2026年9月30日
このページで覚えること
このページでは、次の4点を押さえます。
- 機械学習の基本的な考え方
- 教師あり学習と、回帰・分類・アノテーション
- 教師なし学習と、クラスタリング・次元削減
- 強化学習の仕組みと、代表的な活用例
導入トーク

大原夢乃
今回は、機械学習について学習します。

大原夢乃
バロンくんは、AIというとどういうものを想像しますか?

大原夢乃
最近流行りの生成AIはどうですか?

大原夢乃
はい、テキストや画像、音声や動画などの新しいコンテンツを生成するAIですね。

大原夢乃
それは失礼しました。
生成AIに対して微妙な反応だったので、知らないのかなと思ってしまって。

大原夢乃
生成AIには、ハルシネーションという問題がありますね。

大原夢乃
ハルシネーションは、事実でない不正確な情報をもっともらしく出力してしまう現象ですね。

大原夢乃
それはそれは……。

大原夢乃
あらあらそれは残念でしたね。

大原夢乃
バロンくん。それ以上考えると学習に身が入らなくなりますよ。

大原夢乃
それでは早速始めていきましょう。
STEP 1
機械学習

大原夢乃
機械学習は、コンピュータがデータから特徴や規則性を学び、予測や判断などに活用する技術です。
人が経験を通して傾向を覚え、その後の判断に役立てるように、コンピュータにも学習する能力を持たせようとする考え方ですね。
AIを実現するための技術の一つで、画像の認識、売上の予測、迷惑メールの判別など、さまざまな場面で使われています。

大原夢乃
例えば、お店の来客数を予測したいとしましょう。
過去の曜日や気温、実際の来客数などのデータを使って、「どのような条件のときに、お客さんが増えるのか」という傾向を学習させます。

大原夢乃
はい。そうした関係を、データから見つけていくイメージですね。
人がすべての判断のルールを一つずつ決める方法に対し、機械学習では、データを使って予測や判断の仕組みを作ります。

大原夢乃
このような予測や判断を行う仕組みを、モデルといいます。
学習では、データを使ってモデルを作成・調整し、新しいデータに対しても役立つようにしていきます。

大原夢乃
そうですね。
そして、学習したモデルに、予測したい日の曜日や気温などを入力して、来客数を予測します。学習したモデルを使って、新しいデータについて予測や判断を行うことを、推論といいます。

大原夢乃
はい。
また、曜日や気温など、予測や判断の手掛かりとして入力に使うデータの特徴を、特徴量といいます。

大原夢乃
その理解で大丈夫です。
ただし、機械学習は、データを与えれば必ず正しい答えが出るというものではありません。学習に使うデータの内容や質も、結果に影響します。

大原夢乃
機械学習には、学び方の違いによって、教師あり学習・教師なし学習・強化学習などがあります。
ここからは、それぞれの違いを見ていきましょう。
ここで覚えること
- 機械学習は、データから特徴や規則性を学び、予測や判断などに活用する技術。
- モデルは、予測や判断を行う仕組み。
- 推論は、学習したモデルを使って、新しいデータについて予測や判断を行うこと。
- 特徴量は、予測や判断の手掛かりとして使うデータの特徴。
STEP 2
教師あり学習

大原夢乃
まずは、教師あり学習です。
教師あり学習は、入力データと、その正解を組み合わせたデータを使って学習する方法です。

大原夢乃
先生が授業をするという意味ではありませんね。
ここでの「教師」は、学習の手掛かりとなる正解のことです。正解を付けた学習用のデータを、教師データといいます。

大原夢乃
例えば、犬と猫の画像を見分けるモデルを作る場合、犬の画像には「犬」、猫の画像には「猫」という正解を付けます。
この正解を示す情報を、ラベルといいます。

大原夢乃
はい。
モデルは、画像から予測した答えと、正解のラベルを比べながら、犬と猫を見分けるための規則性を学んでいきます。

大原夢乃
そうですね。
そのように学習したモデルを使って、学習に使っていない新しい画像についても、犬か猫かを判別できるようにします。

大原夢乃
教師あり学習が得意なのは、予測や分類です。
代表的な処理として、数値を予測する回帰と、どのカテゴリに属するかを予測する分類があります。

大原夢乃
回帰は、「いくらになるか」「何人になるか」といった、数値の予測です。
例えば、過去のデータから来月の売上金額を予測したり、住宅の広さや立地などから価格を予測したりします。

大原夢乃
分類は、「どの種類にあたるか」を判別することです。
例えば、画像が犬か猫かを判別したり、メールが迷惑メールか通常のメールかを判別したりします。
| 処理 | 予測するもの | 例 |
|---|---|---|
| 回帰 | 数値 | 売上金額、住宅価格、来客数 |
| 分類 | カテゴリ・種類 | 犬か猫か、迷惑メールか通常のメールか |

大原夢乃
はい。
なお、分類も「どのカテゴリに属するかを予測する」という意味では、予測の一種です。ここでは、数値を扱う回帰と、カテゴリを扱う分類という違いを押さえてください。

大原夢乃
惜しいですね。アノテーションが正解です。
画像や音声、テキストなどのデータに、ラベルや注釈などの情報を付ける作業を、アノテーションといいます。「注釈を付ける」という意味の言葉です。

大原夢乃
画像に「犬」というラベルを付けるほか、画像の中で犬が写っている位置を枠で囲む、といった作業もアノテーションにあたります。
学習の目的に合わせて、必要な情報を付けることが大切です。

大原夢乃
そうですね。
ただし、犬の画像に「猫」というラベルを付けるなど、正解の情報に誤りが多いと、学習の結果にも悪い影響が出ることがあります。教師データを正確に準備することも、重要な作業です。
ここで覚えること
- 教師あり学習は、入力データと正解を組み合わせた教師データを使う。
- 回帰は数値の予測、分類はカテゴリの判別。
- ラベルは、正解を示す情報。
- アノテーションは、データにラベルや注釈などの情報を付ける作業。
STEP 3
教師なし学習

大原夢乃
次は、教師なし学習です。
教師なし学習は、正解のラベルを与えず、データに含まれる特徴や構造、規則性を見つける学習方法です。

大原夢乃
はい。
例えば、データ同士の似ている点を調べて、似たものを同じグループにまとめることができます。この処理を、クラスタリングといいます。

大原夢乃
お店の顧客を例に考えてみましょう。
購入金額や購入頻度などのデータを使って、買い方が似ている顧客を、同じグループにまとめます。

大原夢乃
そうですね。
グループに分けた後で、それぞれの特徴を調べると、そのような傾向が見つかることがあります。顧客の特徴に合わせた商品紹介や、販売施策を考える手掛かりになります。

大原夢乃
そこは、区別して覚えたいところですね。
教師あり学習の分類では、「犬」「猫」などの正解のラベルを使って、どのカテゴリに属するかを学習します。

大原夢乃
一方、クラスタリングでは、各データに「このグループが正解」というラベルを与えず、データ同士の類似性を基にグループを作ります。

大原夢乃
はい。
教師なし学習では、クラスタリングのほかに、次元削減もよく使われます。

大原夢乃
ここでの「次元」は、データを表す特徴量の数だと考えてください。
例えば、学校のテストで、国語・数学・英語・理科・社会の5科目の点数があるとします。
この場合、一人の成績を5つの数値で表していることになりますね。

大原夢乃
はい。では、この5科目の点数を、もっと少ない数値で表すことを考えてみましょう。
例えば、次のようにまとめます。
| 科目 | 点数 |
|---|---|
| 国語 | 80点 |
| 英語 | 70点 |
| 社会 | 90点 |
| 数学 | 40点 |
| 理科 | 50点 |

大原夢乃
この5つの点数を、文系3科目の平均点「80点」と、理系2科目の平均点「45点」という、2つの数値にまとめます。

大原夢乃
そうですね。
このように、重要な情報をできるだけ保ちながら、多くの特徴量を、より少ない特徴量で表すことを次元削減といいます。
ただし、平均点だけでは、それぞれの科目の詳しい点数までは分からなくなりますよね。
次元削減でも、特徴量を減らすことで、一部の情報が失われることがあります。そのため、何を分析したいのかに合わせて、重要な情報をできるだけ残すことが大切です。

大原夢乃
クラスタリングは、似ているデータをグループにまとめること。
次元削減は、多くの特徴量を、より少ない特徴量で表すこと。この違いも押さえておきましょう。
ここで覚えること
- 教師なし学習は、正解のラベルを与えず、データの特徴や構造を見つける。
- クラスタリングは、類似したデータを同じグループにまとめること。
- 次元削減は、重要な情報をできるだけ保ちながら、より少ない特徴量でデータを表すこと。
- 教師あり学習の分類と、教師なし学習のクラスタリングを区別する。
STEP 4
強化学習

大原夢乃
最後は、強化学習です。
強化学習は、試行錯誤を繰り返し、行動の結果として得られる報酬を基に、よりよい行動の選び方を学ぶ方法です。

大原夢乃
ご褒美というイメージでもよいですが、ここでの報酬は、行動の結果を評価する数値です。
例えば、ゲームに勝てばプラスの報酬、負ければマイナスの報酬を与える、といった形で使います。

大原夢乃
はい。
強化学習では、行動を選ぶ学習の主体をエージェントといいます。エージェントは、ゲームやロボットの周囲などの環境の状態を見て行動し、その結果として報酬を受け取ります。

大原夢乃
「状態を確認する」「行動する」「結果と報酬を受け取る」という流れを繰り返し、目的に合った行動の選び方を学んでいきます。

大原夢乃
そうですね。
導入で出てきた、将棋や囲碁を例にすると分かりやすいでしょう。将棋や囲碁のAIには、強化学習を活用するものがあります。

大原夢乃
例えば、自分自身との対局を繰り返し、勝敗に応じた報酬を手掛かりに、どのような手を選ぶと勝ちにつながりやすいかを学習します。

大原夢乃
はい。この例では、対局の結果を手掛かりに学びます。
正解の手を付けたデータから学ぶ教師あり学習とは、学習の手掛かりが違いますね。

大原夢乃
将棋では、目先で駒を取れても、その後に負けてしまうことがありますね。
強化学習では、目先の報酬だけでなく、将来まで含めて得られる報酬の合計が大きくなるように、行動の選び方を学ぶことが重要です。

大原夢乃
そうですね。
このように強化学習は、状況に応じて行動を選び、その積み重ねで目的を達成するような問題に向いています。ゲームの攻略や、ロボットの制御、資源の割当てなどが代表的な活用分野です。
| 活用分野 | 学習する内容の例 |
|---|---|
| 将棋・囲碁などのゲーム | 勝利につながる手や行動の選び方 |
| ロボットの制御 | 歩く、物をつかむなど、目的を達成するための動作 |
| 資源の割当て | コンピュータの処理能力などを、効率よく割り当てる方法 |

大原夢乃
はい。
また、何をよい結果として評価するかによって、学ぶ行動も変わります。目的に合った報酬を設定することも、強化学習では大切です。
ここで覚えること
- 強化学習は、試行錯誤と報酬を通じて、よりよい行動の選び方を学ぶ。
- 報酬は、行動の結果を評価する数値。
- 将来まで含めた報酬の合計が大きくなることを目指す。
- ゲームの攻略、ロボットの制御、資源の割当てなどに活用される。
STEP 5
今日のまとめ

大原夢乃
それでは、今回の内容をまとめましょう。
機械学習は、コンピュータがデータから特徴や規則性を学び、予測や判断などに活用する技術でしたね。

大原夢乃
はい。学習したモデルを使って予測や判断を行うことを、推論といいます。
そして、今回学習した主な学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つです。

大原夢乃
そうですね。入力データと正解を組み合わせた教師データを使い、予測や分類のための規則性を学びます。
数値を予測するのが回帰、どのカテゴリに属するかを判別するのが分類でした。

大原夢乃
その学習に必要な情報を準備するために、画像などのデータにラベルや注釈を付ける作業を何と言いましたか?

大原夢乃
そうですね。
次の教師なし学習は、正解のラベルを与えず、データに含まれる特徴や構造を見つける方法です。

大原夢乃
はい。顧客の購入傾向などを基に、似た顧客をグループに分ける、といった使い方があります。
また、多くの特徴量を、重要な情報をできるだけ保ちながら少ない特徴量で表すのが、次元削減でした。

大原夢乃
そのとおりです。
そして強化学習は、試行錯誤を繰り返し、行動の結果として得られる報酬を手掛かりに、行動の選び方を学びます。

大原夢乃
はい。
目先の報酬だけではなく、将来まで含めた報酬の合計が大きくなることを目指します。ゲームの攻略のほか、ロボットの制御などにも活用されます。
| 学習方法 | 学習の手掛かり・基本的な考え方 | 主な処理・活用例 |
|---|---|---|
| 教師あり学習 | 入力データと正解を組み合わせて学ぶ | 回帰による売上予測、分類による迷惑メール判別 |
| 教師なし学習 | 正解ラベルを与えず、データの特徴や構造を見つける | クラスタリングによる顧客のグループ分け、次元削減 |
| 強化学習 | 行動の結果として得られる報酬を基に学ぶ | 将棋・囲碁などのゲーム攻略、ロボットの制御 |

大原夢乃
試験では、用語を覚えるだけでなく、事例を読んで、どの学習方法にあたるかを判断できるようにしましょう。
正解付きのデータを使うのか、正解ラベルを使わず特徴を見つけるのか、行動の結果を報酬で評価するのかに注目すると、見分けやすくなります。

大原夢乃
はい。
あわせて、回帰と分類、分類とクラスタリングの違いも整理しておいてください。

大原夢乃
今日もお疲れさまでした。
それでは、確認問題に進みましょう。
STEP 6
確認問題
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