デュアルシステムとデュプレックスシステム

デュアルシステムは、同一の処理を行う2系統のシステムを用意し、互いの処理結果を照合するシステム構成です。障害が発生した場合は、障害が発生した系を切り離し縮退運転を行います。 デュプレックスシステムは、現用系と待機系の2系統のシステムを用意し、現用系に障害が発生した場合は、待機系に切り替えて処理を続行するシステム構成です。

最終更新日:2026年8月1日

このページで覚えること

このページでは、次の3点を押さえます。

  • デュアルシステムは、2系統のシステムで同じ処理を行い、結果を照合するシステム
  • デュプレックスシステムは、現用系と待機系を用意し、障害発生時に切り替えて使うシステム
  • ホットスタンバイはすぐに切り替えられる状態、コールドスタンバイは切り替えに時間がかかる状態で待機する
須藤茜

須藤茜

今回は、高信頼性システムについて学習します。

バロン

バロン

高信頼性システムとは何ですかな?

須藤茜

須藤茜

高信頼性システムは、障害が起きにくく、安定して動作を続けられる信頼性の高いシステムです。
今回は試験でよく出題されている、デュアルシステムとデュプレックスシステムを紹介します。

バロン

バロン

デュアルは、「二重の」という意味だったはずですぞ。
つまり、デュアルシステムは、二重化されたシステムのことですな。

須藤茜

須藤茜

そのとおりです。デュアルは、「二重の」や「二つの」を意味する言葉ですね。
今回のシステムとは関係ありませんが、二つのコアが搭載されたCPUを、デュアルコアCPUと呼んだりしますよね。

バロン

バロン

もう一つのデュプレックスは、どういう意味ですかな?

須藤茜

須藤茜

デュプレックスも、「二重の」を意味する言葉ですね。

バロン

バロン

ん? 待ってほしいですぞ。
両方とも「二重の」なのですかな?

須藤茜

須藤茜

はい。両方とも「二重の」です。
厳密には少しだけニュアンスは異なりますが。

バロン

バロン

一応、聞くだけ聞いて良いですかな?

須藤茜

須藤茜

あまり参考にはならないと思いますが、と前置きをしておきます。
デュアルは、「二つの」という意味ですが、根本が一つで、頭の部分が二つに分かれているというニュアンスの言葉です。
デュプレックスは、こちらも「二つの」という意味ですが、完全に独立したものが二つあって、一つにまとまっているというニュアンスの言葉です。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
ドラゴンに例えると、デュアルドラゴンは、胴体が一つで頭が二つに分かれているタイプのドラゴンで、デュプレックスドラゴンは、二体のドラゴンが一組になっているという感じですかな?

須藤茜

須藤茜

どうしてドラゴンに例えたのか分かりませんが、その感じで大体合っていると思います。

バロン

バロン

ドラゴンはロマンですぞ。

須藤茜

須藤茜

それでは、デュアルシステムから順番に説明していきます。

デュアルシステム

須藤茜

須藤茜

デュアルシステムは、同じ構成の2系統のシステムを用意し、両方のシステムで同一の処理を行い、処理結果を照合するシステムです。

バロン

バロン

わざわざ2系統で同じ処理をするのですかな?

須藤茜

須藤茜

基本的には二重化なのですが、処理結果を照合することで処理の正確さも担保しています。

バロン

バロン

なるほどですぞ、正確さを高めることで処理の信頼性を高めているのですな。

須藤茜

須藤茜

そのとおりです、と言いたいところですが、ここでいう信頼性は、システムの故障のしにくさという意味なので、処理の正確性とは切り離して考えてください。

バロン

バロン

ということは、シンプルに二重化により信頼性を高めているのですな。

須藤茜

須藤茜

そのとおりです。片方の系に障害が発生した場合、障害が発生した方の系を切り離して処理を継続します。
片方のみで処理を継続する場合、処理結果を照合する部分が使えなくなりますので、位置づけとしては縮退運転となります。

バロン

バロン

縮退運転はフォールバックというのでしたかな?

須藤茜

須藤茜

はい。縮退運転とフォールバックは、フォールトトレラントの回で説明しましたね。

ここで覚えること

  • デュアルシステムでは、2系統のシステムが同じ処理を行う
  • 2系統の処理結果を照合する
  • 障害が発生した系を切り離し、正常な系だけで縮退運転を行う

デュプレックスシステム

須藤茜

須藤茜

次は、デュプレックスシステムです。デュプレックスシステムも2系統のシステムを用意しますが、こちらは現用系と待機系の二つの系を用意します。

バロン

バロン

現用系と待機系ですかな?

須藤茜

須藤茜

現用系は、通常時に処理を行うシステムで、待機系は、現用系に障害が発生した場合に備えて待機しておくシステムです。

バロン

バロン

現在、用いている系ということで現用系ですな。

須藤茜

須藤茜

はい。現用系を主系、待機系を従系と説明する場合もあります。メインで使うから主系ですね。
現用系に障害が発生した場合は、待機系に切り替えて処理を継続します。このように、障害が発生したシステムから、待機しているシステムに切り替えることを、フェールオーバーといいます。

バロン

バロン

フェールオーバー……。

須藤茜

須藤茜

英語のoverには、「乗り越える」や「引き継ぐ」という意味があるので、待機系に処理を引き継いで、故障を乗り越えると考えてください。
また、障害が発生した元の現用系を修復した後に、処理を元の系に戻すことを、フェールバックといいます。

バロン

バロン

フォールバックとフェールバックもややこしいですな。

須藤茜

須藤茜

そうですね。フェールオーバーとフェールバックはまだしも、フェールバックとフォールバックは本当にややこしいですね。

ここで覚えること

  • デュプレックスシステムは、現用系と待機系を用意する
  • 現用系に障害が発生した場合は、待機系へ処理を切り替える
  • 待機系へ切り替えることをフェールオーバーという
  • 復旧後に元のシステムへ戻すことをフェールバックという

デュプレックスシステムの待機系

須藤茜

須藤茜

次は、デュプレックスシステムの待機系について説明します。
待機方法には、ホットスタンバイとコールドスタンバイがあります。
まず、ホットスタンバイは、待機系をあらかじめ起動し、現用系に障害が発生したら、すぐに処理を引き継げる状態で待機させる方法です。
ホット、つまりウォーミングアップが済んでいて、すぐに出番を引き継げる状態だと考えてください。

バロン

バロン

ウォーミングアップが済んでいて、温まった状態で待機しているから、ホットスタンバイなのですな。

須藤茜

須藤茜

はい。必要なプログラムを動かし、データも現用系に近い状態へ保っておくため、障害発生時に短い時間で切り替えられます。

須藤茜

須藤茜

一方、コールドスタンバイは、待機系をすぐには処理を引き継げない状態で待機させる方法です。
障害が発生してから待機系を起動し、必要なプログラムやデータを準備するため、切り替えに時間がかかります。

バロン

バロン

コールドスタンバイは、ウォーミングアップが済んでいない、冷たい状態で待機しているというわけですな。

須藤茜

須藤茜

はい。そのイメージで大丈夫です。
ホットスタンバイは、すぐに切り替えられる状態で待機します。コールドスタンバイは、切り替える前に起動や準備が必要になるため、ホットスタンバイよりも切り替えに時間がかかります。

待機方法待機系の状態切り替えにかかる時間
ホットスタンバイすぐに処理を引き継げる状態短い
コールドスタンバイ起動や準備が必要な状態長い
バロン

バロン

ホットスタンバイは、すぐに交代できる状態。コールドスタンバイは、交代する前に準備が必要なので、切り替えに時間がかかるのですな。

須藤茜

須藤茜

はい。その違いを押さえておきましょう。

ここで覚えること

  • ホットスタンバイは、待機系をすぐに切り替えられる状態で待機させる
  • コールドスタンバイは、障害発生後に待機系の起動や準備が必要になる
  • 切り替えにかかる時間は、ホットスタンバイの方が短く、コールドスタンバイの方が長い

今日のまとめ

須藤茜

須藤茜

それでは、今回の内容をまとめましょう。

バロン

バロン

デュアルシステムは、2系統のシステムで同じ処理を行い、結果を照合するシステムですな。
システムとしては一つだけど、頭が二つあるイメージですな。

須藤茜

須藤茜

無理にその覚え方をしなくてもよいと思いますが、その理解で大丈夫です。
また、デュアルシステムは、障害が発生した系を切り離すだけで、システム自体は止まりません。そのため、信頼性の高いシステム構成です。

バロン

バロン

デュプレックスシステムは、現用系と待機系を用意するシステムですな。
こちらは、それぞれ独立したシステムがセットで用意されているイメージですな。
そして、現用系に障害が発生した場合は、待機系へフェールオーバーするのですな。

須藤茜

須藤茜

そのとおりです。デュプレックスシステムでは、現用系が停止した後に待機系へ処理を切り替えます。
切り替えの間は処理が一時的に止まるため、信頼性の面ではデュアルシステムより劣ります。

須藤茜

須藤茜

ただし、デュプレックスシステムでは、待機系をほかの用途に使いながら待機させることもできますので、コスト面では有利に働く場合があります。

バロン

バロン

信頼性を重視するならデュアルシステム。
コストも考えるなら、デュプレックスシステムが選ばれる場合もあるのですな。

須藤茜

須藤茜

はい。また、停止時間の長さにも違いがあります。
デュアルシステムは、障害が発生した系を切り離して処理を続けるため、停止時間が短くなります。
デュプレックスシステムでは、現用系から待機系への切り替えが必要になるため、デュアルシステムより停止時間が長くなります。

停止時間の比較

  • デュアルシステム < デュプレックスシステム
  • ホットスタンバイ < コールドスタンバイ
須藤茜

須藤茜

さらに、デュプレックスシステムの中では、すぐに切り替えられるホットスタンバイよりも、起動や準備が必要なコールドスタンバイの方が、停止時間が長くなります。

バロン

バロン

停止時間が短い順に考えると、デュアルシステム、ホットスタンバイ、コールドスタンバイとなるのですな。

須藤茜

須藤茜

はい。その順番で押さえておきましょう。

システム構成通常時の動作障害発生時停止時間
デュアルシステム2系統で同じ処理を行い、結果を照合する障害が発生した系を切り離し、正常な系で縮退運転する短い
デュプレックスシステム現用系が処理し、待機系が待機する現用系から待機系へ切り替えるデュアルシステムより長い
バロン

バロン

デュアルは、二つで同じ処理をして確認する。
デュプレックスは、一方が働き、もう一方が交代に備える。
さらに、停止時間は、デュアルシステム、ホットスタンバイ、コールドスタンバイの順に長くなると覚えればよいのですな。

須藤茜

須藤茜

はい。その違いを押さえたうえで、確認問題に挑戦してみましょう。

確認問題

問1 デュアルシステムの説明として、最も適切なものはどれですか。
問2 デュプレックスシステムにおけるフェールオーバーとフェールバックの説明として、最も適切なものはどれですか。
問3 ホットスタンバイとコールドスタンバイの説明として、最も適切なものはどれですか。
問4 停止時間の長さについて、最も適切なものはどれですか。