特定電子メール法

特定電子メール法は、広告や宣伝を目的として送信される電子メールについて、送信のルールや表示義務などを定めた法律です。原則として、受信者から事前に同意を得てから送信する「オプトイン方式」でメールを送信する必要があります。

最終更新日:2026年8月21日

このページで覚えること

このページでは、次の5点を押さえます。

  • 特定電子メールは、広告または宣伝を行うための手段として送信されるメール
  • オプトアウト方式は、受信者が拒否するまで送信し、拒否された後に送信を停止する方式
  • オプトイン方式は、事前に同意を得た相手にメールを送信する方式
  • 特定電子メールの送信は、原則としてオプトイン方式
  • 受信者から同意を得たことを証明する記録を保存する必要がある
遊佐陽香

遊佐陽香

今回は特定電子メール法の学習です。

バロン

バロン

電子メールにも法律があるのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

電子メールの法律ではなく、特定電子メールの法律ですね。

バロン

バロン

何が違うのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

特定電子メールは、広告や宣伝を目的としたメールのことです。

バロン

バロン

広告や宣伝メールというのは、スパムメールや迷惑メールのことですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

なかなか難しいところですが、一般に迷惑メールというのは、受信者にとって迷惑なメールのことですから、広告や宣伝が目的とは限りません。
詐欺メールなども迷惑メールにあたりますよね。

バロン

バロン

確かにそうですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

スパムメールは、受信者の意向を無視して、大量に送信されるメールのことです。

バロン

バロン

言葉の定義が難しいですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そうですね。
なので、特定電子メール法では、広告や宣伝を目的として送信されるメールを特定電子メールとして、規制の対象にしています。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
となると、広告や宣伝が目的ではない迷惑メールなど、たとえば詐欺メールなどは規制できないということですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

特定電子メール法の対象になるとは限らない、ということですね。
ただし、詐欺メールやフィッシングメールなどは、内容によって別の法律によって規制されているので、詐欺メールやフィッシングメールが合法だというわけではありません。

バロン

バロン

規制の対象を広告宣伝のメールに絞っているわけですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そういうことです。
今回は、この広告や宣伝を目的とする特定電子メールについて、どのようなルールがあるのかを確認していきましょう。

特定電子メール法

遊佐陽香

遊佐陽香

まず、正式な法律名は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」です。
一般には、特定電子メール法と呼ばれています。

バロン

バロン

ずいぶん長い名前ですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

試験では特定電子メール法で覚えておけば大丈夫です。
この法律で重要なのは、「特定電子メール」が何なのかということです。

バロン

バロン

広告や宣伝を目的としたメールでしたな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。もう少し正確に言えば、自分や他人の営業について、広告や宣伝を行うための手段として送信する電子メールです。
たとえば、商品の購入を勧めるメールや、サービスの利用を勧めるメールなどですね。

バロン

バロン

企業から届くメールなら、すべて特定電子メールになるのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

いいえ。
企業から送信されるメールでも、広告や宣伝を目的としていなければ、特定電子メールとは限りません。
たとえば、契約や取引について必要な連絡をするだけのメールまで、すべて広告宣伝メールになるわけではありません。

バロン

バロン

広告や宣伝を目的としているかどうかが重要なのですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そうですね。
また、営利を目的とする団体や営業を営む個人が対象とされているので、非営利団体や営業を営まない個人が送信する電子メールは、特定電子メール法の対象外となっています。

バロン

バロン

海外の企業から広告メールはどうなのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

もちろん規制の対象です。
法律では、国内からの送信だけでなく、国内への送信も対象とされています。

バロン

バロン

海外から送れば対象外になるというわけではないのですな。

ここで覚えること

  • 特定電子メールは、営業について広告や宣伝を行うための手段として送信されるメール
  • 特定電子メール法は、すべての迷惑メールを規制する法律ではない
  • 営業を営まない個人や非営利団体が送信する電子メールは対象外
  • 海外から送信され、日本で受信する広告宣伝メールも対象になる

オプトインメール

遊佐陽香

遊佐陽香

次に、この法律で特に重要な「オプトイン方式」について学習します。

バロン

バロン

オプトインですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

オプトイン方式は、事前に広告宣伝メールの送信について同意を得た人にメールを送る方式です。

バロン

バロン

「広告メールを送ってもいいですか?」と先に確認してから送るわけですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。そのとおりです。
特定電子メールは、原則としてこのオプトイン方式で送信しなければいけません。

バロン

バロン

ということは、勝手に広告メールを送ってはいけないということですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

いくつかの例外はありますが、原則としてはそうなります。

バロン

バロン

例外があるのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

そうですね。
特定電子メール法では、例えば名刺などの書面で自分のメールアドレスを通知した相手や、すでに取引関係にある相手などは、事前の同意がなくても送信できる例外とされています。
また、ホームページなどでメールアドレスを公開している団体や、営業を営む個人についても例外とされています。
ただし、ホームページなどでメールアドレスが公開されている場合でも、広告メールを送らないでほしいという意思表示が書かれている場合は、送信してはダメです。

バロン

バロン

思った以上に例外が多いですぞ。

遊佐陽香

遊佐陽香

例外については無理に覚える必要はありませんので、原則として、オプトイン方式で送信しないといけないと覚えておきましょう。

バロン

バロン

原則、事前の同意が必要というわけですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。
それと、オプトインと反対の考え方のオプトアウト方式も説明します。

バロン

バロン

オプトアウト方式ですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

事前に同意は得ずにメールを送信し、受信者から受信拒否の申し出があった場合に、その後の送信を停止する方式です。

バロン

バロン

それはダメと言わなかったですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。
以前の特定電子メール法では、このオプトアウト方式の広告メールも認められていましたが、現在の特定電子メール法では、原則としてオプトイン方式のみになっています。

バロン

バロン

では、オプトアウト方式はダメと覚えればよいのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

そのとおりですが、オプトアウト方式が、事前に同意は得ずにメールを送信し、受信者から受信拒否の申し出があった場合に、その後の送信を停止する方式ということをきちんと覚えてください。

バロン

バロン

たしかに、オプトインとオプトアウトは言葉が似てて間違いそうですぞ。

遊佐陽香

遊佐陽香

参考になるか分かりませんが、optは「選ぶ」という意味の動詞です。
皆さんがよく知っているoptionと関連する言葉ですね。
なので、メールを送信してもらうグループに自分から入ることを選択する、というように考えるとよいと思います。

バロン

バロン

オプトインだから、自分から入るわけですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

オプトアウトは、最初は送信されるグループの中にいて、自分から外に出ることを選択するというように考えてください。

バロン

バロン

この覚え方なら、逆に覚えることはなさそうですぞ。

遊佐陽香

遊佐陽香

オプトイン方式のメールでも、同意はしたけど、やっぱり今後はメールを送ってほしくないと意思表示される場合があります。
その場合は、メールを送信してはいけなくなります。
この送ってほしくないという意思表示のこともオプトアウトという場合があります。

バロン

バロン

オプトイン方式の場合でもオプトアウトの意思表示は可能なのですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

それと、もう一つ重要なルールがあります。

バロン

バロン

まだ何かあるのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

受信者から同意を得た場合は、同意を得たことを証明できる記録を保存しておかなければいけません。

バロン

バロン

受信者から同意を得るだけではダメなのですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そういうことです。
いつ、どのような方法で同意を得たのかなど、それらを証明できる記録を残します。

バロン

バロン

ちなみに、記録を残していないとどうなるのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

同意を証する記録には保存義務がありますので、その義務に違反することになります。
それに、本当に同意を得ていたとしても、そのことを証明するのが難しくなってしまいます。

バロン

バロン

なるほどですぞ。同意と同意の記録を残すことはセットなのですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

試験対策としては、まず「オプトイン方式」と「同意を証する記録の保存」を覚えておいてください。

ここで覚えること

  • オプトイン方式は、事前に同意を得た相手に送信する方式
  • オプトアウト方式は、事前に同意を得ずに送信し、受信拒否の申し出があった場合に、送信を停止する方式
  • 特定電子メールの送信は原則としてオプトイン方式
  • 同意を得たことを証する記録を保存する必要がある

そのほかの注意事項

遊佐陽香

遊佐陽香

先ほどのルール以外にも、特定電子メールを送信するときに守らないといけないルールがあります。

バロン

バロン

事前に同意を得ることと、その記録を保存するだけで終わりではないのですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。
まず、誰が送信したのか分かるように、送信者の氏名や名称を表示する必要があります。

バロン

バロン

メールに書いておけば良いのですかな?

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。メールの中の分かりやすい場所に、送信者の氏名や名称を表示します。
さらに、受信者が広告宣伝メールを受け取りたくなくなった場合に備えて、受信拒否ができることや、そのためのメールアドレスやURLなども表示します。

バロン

バロン

配信停止はこちら、みたいなものですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そのイメージです。
また、送信者の電子メールアドレスやIPアドレス、ドメイン名などを偽って送信することも禁止されています。

バロン

バロン

それは常識で考えれば分かりそうですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そうですね。普通であれば、送信者情報を偽装する必要はありませんね。
それから、実際には利用者がいないような架空の電子メールアドレスをあて先とする大量送信についても規制があります。

バロン

バロン

利用者のいない架空のメールアドレスにメールを送る意味が分からないですぞ。

遊佐陽香

遊佐陽香

これは、プログラムを使ってメールアドレスを大量に自動生成して、片っ端からメールを送信するような方法です。
たまたま実在するメールアドレスには届きますが、実際には利用者がいない架空のメールアドレスにも大量のメールが送信されることになります。
特定電子メール法では、このような架空のメールアドレスをあて先とする送信も規制しています。

バロン

バロン

なるほどですぞ。いろいろ考えているんですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

全部を細かく覚える必要はありません。
まずは「誰が送ったかを表示する」「受信拒否できるようにする」「送信者情報を偽らない」という三つを押さえておくとよいでしょう。

ここで覚えること

  • 送信者の氏名または名称などを表示する
  • 受信拒否ができることと、受信拒否のための連絡先を表示する
  • 受信拒否された後は、原則として送信しない
  • 送信者情報を偽って送信してはいけない
  • 架空の電子メールアドレスをあて先とする大量送信も規制されている

今日のまとめ

遊佐陽香

遊佐陽香

それでは、今日の内容をまとめましょう。
まず、特定電子メールとは何でしたか?

バロン

バロン

広告や宣伝を目的として送信するメールですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そうですね。
では、特定電子メールを送信するときの原則は?

バロン

バロン

オプトイン方式ですぞ。

遊佐陽香

遊佐陽香

オプトイン方式とは?

バロン

バロン

事前に同意を得た相手にメールを送信する方式ですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

そのとおりです。
では、オプトアウト方式は?

バロン

バロン

先にメールを送って、受信者から拒否されたら送信を停止する方式ですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。
現在は「まず送って、嫌なら断ってもらう」というオプトアウト方式ではなく、原則として事前に同意を得るオプトイン方式です。

バロン

バロン

それと、同意をもらった証拠も残しておくのでしたな。

遊佐陽香

遊佐陽香

はい。
同意を証する記録の保存も重要です。
ほかにも、送信者の名称や受信拒否の方法などを表示すること、送信者情報を偽らないことなどのルールがあります。

バロン

バロン

広告メールを送るなら、先に同意をもらって、誰が送ったのか分かるようにして、あとから拒否できるようにもしておく、ということですな。

遊佐陽香

遊佐陽香

その整理で大丈夫です。

確認問題

問1 特定電子メール法で規制の対象となる「特定電子メール」の説明として、最も適切なものはどれですか?
問2 広告宣伝メールを送信する前に、受信者からあらかじめ同意を得る方式を何といいますか?
問3 オプトアウト方式の説明として、最も適切なものはどれですか?
問4 特定電子メール法における広告宣伝メールの送信方法として、原則採用されているものはどれですか?
問5 広告宣伝メールの送信について受信者から同意を得た場合、送信者に求められるものはどれですか?
問6 広告宣伝メールの送信に一度同意した受信者から、その後に受信拒否の通知を受けた場合の対応として、最も適切なものはどれですか?
問7 特定電子メール法で禁止されているものはどれですか?