株式会社

株式会社は、株式を発行して出資者から資金を集め、事業活動を行う会社です。 発行された株式を所有する人や組織を株主といい、株式会社の持ち主にあたるのが株主です。

最終更新日:2026年7月25日

このページで覚えること

このページでは、次の3点を押さえます。

  • 株式会社は株式を発行して株主から資金を集め、株式を持つ株主が会社の持ち主になる
  • 株式を市場で広く売買できるようにすることを、株式公開(IPO)という
  • 株主総会では、役員の選任・解任や、合併など会社の重要事項について決議する
葛城涼子

葛城涼子

今回の学習内容は、株式会社です。
会社法で定められている会社には、株式会社のほかに、合名会社、合資会社、合同会社がありますが、今回は株式会社に注目して説明します。

バロン

バロン

株式会社が一番重要なのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

一番重要というより、日本で最も広く使われている会社形態ですし、試験でも株式会社を中心に問われます。
とはいえ、最近は合同会社も増えてきているので、合同会社についても説明しましょうか。

バロン

バロン

余計なことを言ったかもですぞ。

葛城涼子

葛城涼子

それでは、まずは株式会社の仕組みから見ていきましょう。

株式会社の仕組み

葛城涼子

葛城涼子

株式会社は、株式を発行して、出資者から事業に必要な資金を集める会社です。

バロン

バロン

その株式というのは、何なのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

株式は、会社の所有権を細かく分けたものだと考えてください。
例えば、ある会社が100株の株式を発行した場合、会社の所有権を100等分したことになります。
その100株のうち10株を持っている人は、会社の所有権の10%分を持っていることになります。

バロン

バロン

なるほどですぞ。とても分かりやすいですぞ。

葛城涼子

葛城涼子

出資者は株式会社にお金を出す代わりに、株式を受け取ります。
この株式を持っている人や組織を、株主といいます。

バロン

バロン

つまり、株式を持っている株主が、株式会社の所有者になるわけですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい、そのとおりです。
「株式会社の持ち主は株主である」。これは重要なポイントなので、押さえておいてください。

バロン

バロン

株券という言葉も聞いたことがありますぞ。株式と株券は同じものですかな?

葛城涼子

葛城涼子

株式は、会社の所有権を表すものと説明しましたね。
株券は、その株式を持っていることを示す証券です。
以前は紙の株券が発行されていましたが、現在では株式の保有状況を電子的に管理するのが一般的です。

バロン

バロン

株式が権利そのもので、株券はそれを持っていることを示すものだったのですな。

葛城涼子

葛城涼子

そのとおりです。
それでは、実際に会社を作る場面を考えてみましょう。

葛城涼子

葛城涼子

新しいビジネスを思い付き、会社を立ち上げようとしても、自分だけでは十分な資金を用意できないことがあります。
このような場合には、株式会社を設立して株式を発行し、株主に資金を出してもらう方法があります。

バロン

バロン

株主にお金を出してもらう代わりに、株式を渡すのですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
株式を渡すということは、その人にも会社の持ち主の一人になってもらうということです。

バロン

バロン

ちょっと待ってほしいですぞ。
会社を作るためのお金を全部ほかの人に出してもらった場合は、どうなるのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

自分が1円も出さずに、ほかの株主に資金を全額出してもらった場合、自分は株式を一切持っていないことになります。
その会社は、完全に株主のものになります。
自分が考えた事業であっても、株式を持っていない以上、会社の所有権は自分にはありません。

バロン

バロン

自分で作った会社だからといって、自分の会社になるとは限らないのですな。

葛城涼子

葛城涼子

そのとおりです。
自分も会社の持ち主の一人になりたければ、ほかの株主と同じように資金を出して、株式を持つ必要があります。
また、自分が会社の意思決定で主導権を持ちたい場合は、自分で過半数の株式を持っておくことが大切です。
例えば、全部で100株なら、51株以上を自分で持っておくということです。

バロン

バロン

過半数ということは、多数決でもするのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

はい。
株主は、基本的に持っている株式に応じた議決権を持ちます。
過半数の株式を持っていれば、会社の意思決定で主導権を握りやすくなります。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
では、自分のお金が少ない場合に、自分が100株のうち20株分のお金を出して、ほかの株主には5株分ずつお金を出してもらう。これならどうですかな?

葛城涼子

葛城涼子

その場合、自分の株式の保有率は20%で、ほかの株主の株式の保有率は合計80%になります。
ほかの株主が同じ意見にまとまった場合、多数決では負けてしまいますね。

バロン

バロン

うぐっ。確かにそのとおりですぞ。

葛城涼子

葛城涼子

話を戻しますが、株式会社では、株主が会社を所有し、経営者が会社を経営します。
このように、会社の持ち主と経営する人を分けられることを、所有と経営の分離といいます。

バロン

バロン

株主が、自分で会社を経営するとは限らないのですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
先ほどの例でも、お金を出すのが株主で、会社を経営するのはアイデアを出した自分という位置付けでした。
逆に株主からすると、会社の経営を、経営の専門家である経営者に任せることができるということです。
日本の株式会社では、会社の経営を担う立場の人を取締役と呼びます。

バロン

バロン

会社を取り締まるから、取締役ですかな?

葛城涼子

葛城涼子

名前のイメージとしては、それで大丈夫です。
ここでいう「取り締まる」は、会社の業務を管理したり、経営を担ったりするという意味です。
取締役が会社の経営を担い、会社の重要な事項については、株主が意思決定をします。
株主が意思決定する内容には、取締役の選任や解任も含まれています。

バロン

バロン

ということは、自分で株式を持っていない場合は、株主から会社を追い出される可能性があるということですかな?

葛城涼子

葛城涼子

理屈としては、そうなってしまいますね。
自分が会社を立ち上げて経営者になったとしても、株式会社の持ち主は、あくまで株式を持っている株主です。

ここで覚えること

  • 株式会社は、株式を発行して出資者から資金を集める
  • 株式を持つ株主が、株式会社の持ち主になる
  • 株主と経営者を分けられることを、所有と経営の分離という
  • 株主は、基本的に持っている株式に応じた議決権を持つ

株式公開・上場・IPO

葛城涼子

葛城涼子

株主が一度出資したお金は、会社に「やっぱり返して」と言っても、原則として返ってきません。
さらに、株式会社が倒産した場合には、出資したお金を失う可能性があります。

バロン

バロン

むむむ。そう考えると、株主になるのはなかなかリスクが高いことですな。

葛城涼子

葛城涼子

ただし、株主が持っている株式は、原則として、ほかの人へ譲ることができるようになっています。
つまり、持っている株式をほかの人に売ることは可能です。

バロン

バロン

株式がいらなくなった場合や、お金に替えたい場合は、株式を売ればよいということですな。

葛城涼子

葛城涼子

そのとおりです。
といっても、株式は簡単に売れるものとは限りません。
株式を売りたい人は、買ってくれる人を探さなければなりません。
反対に、株式を買いたい人も、売ってくれる人を探す必要があります。

バロン

バロン

やはり、相手を探すのは大変なのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

そうですね。相手を探すのも大変ですし、いくらで売買するのかを決める価格交渉も必要になります。
そこで、会社の株式を一般の投資家が自由に売買できるように公開するという方法があります。これを株式公開といいます。

バロン

バロン

株式を公開するから、株式公開ですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
そして、証券取引所で株式を売買できるようにすることを、上場といいます。
会社は証券取引所の審査を受け、認められると、その会社の株式が証券取引所で売買されるようになります。

バロン

バロン

証券取引所というのは、株式を売りたい人と買いたい人を結び付ける場所ですかな?

葛城涼子

葛城涼子

はい。その理解で大丈夫です。
証券取引所があることで、売りたい人と買いたい人がお互いを直接探さなくても、株式を売買しやすくなります。

バロン

バロン

株式公開が、株式を自由に売買できるように公開すること。
上場が、証券取引所で売買できるようにすることですな。
つまり、上場は株式公開を実現するための方法の一つと考えればよいのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

そのとおりです。
現在では、株式公開は、証券取引所への上場によって行われるのが一般的です。
また、未公開だった会社が、初めて一般の投資家に株式を公開することをIPOといいます。
IPOは、Initial Public Offeringの略です。

バロン

バロン

IPOは、先ほど説明のあった株式公開とは違うのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

日本では、株式公開とIPOは、ほぼ同じ意味で使われています。
厳密には、株式公開は、未公開だった株式を広く売買できる状態にすることです。
一方、IPOは、株式公開の際に、一般の投資家へ初めて株式を提供することを指します。
株式公開の際には、公募増資や売出しによって、一般の投資家に株式を提供することが多いため、一連の出来事として、ほぼ同じ意味で使われています。
試験でも、同じ意味の用語として押さえておいて大丈夫です。

バロン

バロン

厳密には注目している部分が少し違っても、基本的には同じものとして覚えてよいのですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい、その理解で大丈夫です。

ここで覚えること

  • 株式は、原則としてほかの人へ譲ることができる
  • 株式公開(IPO)は、株式を自由に売買できるように公開すること
  • 上場は、証券取引所で株式を売買できるようにすること

株主総会

葛城涼子

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株式会社では、会社の重要な事項について株主の意思を確認するために、株主総会を開きます。
株主総会では、取締役などの役員の選任や解任、会社の合併などについて決議します。

バロン

バロン

ところで、総会とは何ですかな?

葛城涼子

葛城涼子

総会は、その組織の構成員全体を対象として開かれる会議のことです。
株主総会であれば、株主全体を対象として開かれる会議だと考えてください。
株主は、持っている株式に応じた議決権を使って、議案に賛成するか反対するかを決めます。

バロン

バロン

株主総会は、いつ開かれるのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

定時株主総会は、毎年、会社の事業年度が終了した後に開かれます。
日本では3月に事業年度を終える会社が多いため、6月に定時株主総会を開く会社が多く見られます。
また、必要がある場合には、臨時株主総会が開かれることもあります。

バロン

バロン

株主ではない人でも、見に行けるのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

いいえ。
株主総会は、誰でも自由に参加できる催しではありません。
株主総会を開くときは、その会社の株主に、日時や議題などを知らせる案内が送られます。

バロン

バロン

株主になったら、毎年必ず会場まで行かないといけないのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

必ず会場へ行かなければならないわけではありません。
そもそも、株主総会への参加は義務という訳ではありません。
会社によっては、書面やインターネットなどを使って、議案への賛否を伝えることもできます。

バロン

バロン

会場へ行けなくても、株主として意思を伝える方法があるのですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
そして、多くの株式を持っている株主ほど、多くの議決権を持ち、会社の意思決定にも大きな影響を与えます。

バロン

バロン

先ほどの、過半数の株式を持っておくことが大切という話が、ここにつながるのですな。

葛城涼子

葛城涼子

そのとおりです。
株主総会は、会社の持ち主である株主が、会社の重要事項について意思を示す場です。
先ほども説明しましたが、株主総会では、取締役などの役員の選任・解任や、会社の合併などについて決議します。
ここは重要なので、しっかりと押さえておいてください。

ここで覚えること

  • 株主総会は、会社の持ち主である株主が、会社の重要事項について意思を示す場である
  • 株主総会では、取締役などの役員の選任・解任や、会社の合併などを決議する
  • 株主は、持っている株式に応じた議決権を使って意思を示す

合同会社との違い

葛城涼子

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ここまでは株式会社について説明してきましたが、最初に名前が出た合同会社についても見ておきましょう。

バロン

バロン

やはり説明するのですな。

葛城涼子

葛城涼子

株式会社は、株式を発行して、株主から広く資金を集められる会社です。
一方で、自分たちで必要な資金を用意できるなど、外部の株主から広く資金を集める必要がない場合もあります。
このような場合には、合同会社を選ぶことがあります。

バロン

バロン

合同会社は、株式会社と何が違うのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

株式会社では、会社の持ち主である株主と、会社を経営する取締役を分けることができます。
一方、合同会社では、基本的に会社へ出資した人が、自ら会社を経営します。

バロン

バロン

自分でお金を出して、自分で自分の会社を経営するのですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
合同会社では、出資者のことを社員といいます。
ここでいう社員は、会社で働く従業員という意味ではなく、会社へ出資した構成員という意味です。

バロン

バロン

同じ社員でも、会社員という意味ではないのですな。

葛城涼子

葛城涼子

そうですね。
合同会社は、所有と経営を分けず、出資した人たちで会社を経営したい場合に向いています。

バロン

バロン

実際には、どのような会社が合同会社を選ぶのですかな?

葛城涼子

葛城涼子

例えば、海外の企業が日本に会社を設立するときに、合同会社を選ぶことがあります。
また、親会社が100%出資する子会社でも、合同会社が選ばれることがあります。

バロン

バロン

親会社がお金を全部出すなら、ほかの株主から資金を集める必要がないということですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。
ほかにも、外部の投資家から広く資金を集める予定がなく、創業者が自分で自分の会社を経営したい場合に、合同会社を選ぶことがあります。

バロン

バロン

自分たちでお金を出して、自分たちで経営したい会社に向いているのですな。

葛城涼子

葛城涼子

そうですね。
ただし、将来、多くの投資家から資金を集めたり、株式公開を目指したりする場合には、株式会社の方が適しています。
株式会社と合同会社のどちらが優れているということではなく、資金の集め方や、誰が会社を経営するのかに合わせて選びます。

バロン

バロン

株主から資金を集め、株主と経営者を分けられるのが株式会社。
出資した人が、自分たちで経営するのが合同会社ですな。

葛城涼子

葛城涼子

はい。その違いを押さえておきましょう。

今回のおさらい

葛城涼子

葛城涼子

それでは、今回の内容を振り返りましょう。

バロン

バロン

株式会社は、株式を発行して資金を集め、株式を持っている株主が会社の持ち主になるのですな。
株式を市場で広く売買できるようにするのが株式公開で、証券取引所で売買できるようにするのが上場ですな。
そして、会社の重要な事項については、株主総会で株主が意思を示しますぞ。

葛城涼子

葛城涼子

はい。よく整理できています。
合同会社との違いも含めて、次のポイントを押さえておきましょう。

おさらいポイント

  • 株式会社は、株式を発行して出資者から資金を集める
  • 株式を持つ株主が、株式会社の持ち主になる
  • 株主と経営者を分けられることを、所有と経営の分離という
  • 株式を市場で広く売買できるようにすることを、株式公開(IPO)という
  • 証券取引所で株式を売買できるようにすることを、上場という
  • 株主総会では、役員の選任・解任や、合併などの重要事項を決議する
  • 合同会社では、基本的に会社へ出資した人が、自ら会社を経営する
バロン

バロン

株式会社の仕組みだけでなく、合同会社との違いも分かりましたぞ。

葛城涼子

葛城涼子

それでは、最後に確認問題に挑戦してみましょう。

確認問題

問1 株式会社の持ち主にあたるのは、次のうち誰ですか。
問2 株式公開の説明として、最も適切なものはどれですか。
問3 株主総会で決議される事項として、最も適切なものはどれですか。
問4 合同会社の説明として、最も適切なものはどれですか。