リーダーシップ論
ここでは、PM理論、コンティンジェンシー理論、SL理論から、サーバントリーダーシップ、シェアードリーダーシップについて学習します。
最終更新日:2026年7月17日
このページで覚えること
このページでは、リーダーシップ論について次の点を押さえます。
- PM理論では、リーダーの行動をP機能とM機能に分けて考える
- コンティンジェンシー理論では、有効なリーダーシップの形は状況によって変化すると考える
- SL理論では、部下やメンバーの成熟度に応じてリーダーシップの形を変える
- サーバントリーダーシップとシェアードリーダーシップは、特徴を理解する
導入トーク

塚口理央
今回は、リーダーシップの理論について学習します。

塚口理央
もともとリーダーシップというものは、後天的に習得できるスキルではなく、本人に生まれつき備わっている資質によるものである、と考えられていました。
リーダーシップの研究のスタートも、どのような資質がリーダーシップに影響するのか、つまり、優れたリーダーに共通する資質を考えるところから始まっています。

塚口理央
このような、優れたリーダーは生まれつき特別な資質を持っている、という考え方を、リーダーシップ特性理論といいます。

塚口理央
すみません。どうツッコめばいいのか分からなかったもので。

塚口理央
何ですか、それは。

塚口理央
リーダーシップの研究は、リーダーシップ特性理論から始まり、リーダーの資質ではなく、リーダーの行動に注目したリーダーシップ行動理論、唯一正解のリーダーシップがあるわけではなく、状況によってリーダーシップの形は変わるとする考え方などに展開していきます。

塚口理央
無視はしてませんよ。
相手にしていないだけです。

塚口理央
冗談ですよ。
今から、試験対策で覚えてほしいリーダーシップ行動理論、状況に応じたリーダーシップの考え方、あと少し新しいリーダーシップの在り方について解説していきますので、一緒に学習していきましょうね。
STEP 1
PM理論

塚口理央
まずは、PM理論です。
これは、リーダーの行動に注目した理論で、リーダーシップ行動理論に該当します。

塚口理央
いいえ、それはとくに必要ありません。
覚えてほしいのはPM理論の言葉です。具体的に言うと、PとMの言葉の意味などですね。
ちなみに、PとMが何を意味しているか想像できますか?

塚口理央
残念。不正解です。
PはPerformanceで、目標を達成する力です。
MはMaintenanceで、集団を維持する力です。

塚口理央
そうですか?
リーダーには、チームを引っ張って目的を達成する力と、チームが同じ方向を向くように調整する力が必要だと思いませんか?

塚口理央
ちょっと意地悪しすぎましたか?
ごめんなさいね。

塚口理央
はい。PM理論では、P機能とM機能の強弱によって、リーダーのタイプを4つに分けます。

塚口理央
まず、P機能もM機能も高いリーダーを、PM型といいます。

塚口理央
はい。
一般的には、このPM型が最も望ましいとされます。

塚口理央
次に、P機能は高いけれど、M機能は低いタイプを、Pm型といいます。

塚口理央
いいえ。Pm型です。
といっても、声で聞いただけでは違いが分かりにくいですね。

塚口理央
文字で見ると、Mが小文字のmになっています。
大文字は機能が高いこと、小文字は機能が低いことを表します。

塚口理央
その通りです。
Pm型は、目標を達成する力は強い一方で、集団を維持する力は弱いタイプです。

塚口理央
はい。
次に、P機能は低いけれど、M機能は高いタイプを、pM型といいます。

塚口理央
はい。
pM型は、集団を維持する力は強い一方で、目標を達成する力は弱いタイプです。

塚口理央
そうですね。
人間関係を保つことには強いですが、成果を出す力が弱くなりやすいタイプです。

塚口理央
最後に、P機能もM機能も低いタイプを、pm型といいます。

塚口理央
はい。
目標を達成する力も、集団を維持する力も弱いタイプです。

塚口理央
その通りです。
試験では、P機能は目標を達成する力、M機能は集団を維持する力を表すこと、そして大文字と小文字で機能の高低を表すことを押さえておきましょう。

| 類型 | P機能 | M機能 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PM型 | 高い | 高い | 目標達成と集団維持の両方に優れている |
| Pm型 | 高い | 低い | 目標達成は強いが、集団維持は弱くなりやすい |
| pM型 | 低い | 高い | 集団はまとまりやすいが、目標達成は弱くなりやすい |
| pm型 | 低い | 低い | 目標達成も集団維持も弱くなりやすい |
STEP 2
コンティンジェンシー理論

塚口理央
次は、コンティンジェンシー理論です。
これは、唯一最適なリーダーシップが存在するのではなく、リーダーシップの有効性は状況によって変わる、という考え方です。

塚口理央
はい。
同じリーダーのやり方でも、状況によってうまくいく場合もあれば、うまくいかない場合もあります。

塚口理央
その通りです。
コンティンジェンシー理論では、リーダーのタイプや行動だけを見るのではなく、そのリーダーが置かれている状況との相性も考えます。

塚口理央
はい。
例えば、リーダーとメンバーの関係が良いかどうか、仕事の内容がはっきりしているかどうか、リーダーにどれくらい権限があるか、といったことです。

塚口理央
作業手順や目標、成果物が明確かどうかです。
何をすればよいかがはっきりしている仕事は、課題構造が高いと考えます。

塚口理央
はい。
そして、リーダーの権限とは、単に偉そうにできるかどうかではありません。

塚口理央
違います。
例えば、報酬やインセンティブを与えられるか、評価に関われるか、必要に応じて配置転換や解雇に関われるか、といった職位上の権限です。

塚口理央
そうですね。
コンティンジェンシー理論では、こうした状況が、リーダーにとって好ましいかどうかを考えます。

塚口理央
はい。
メンバーとの関係が良く、仕事の内容が明確で、リーダーの権限も強い場合は、リーダーにとって好ましい状況です。

塚口理央
その通りです。
そして、ここが少し大事なところです。
コンティンジェンシー理論では、状況がとても好ましい場合と、とても好ましくない場合には、タスク志向のリーダーが有効とされます。

塚口理央
そうですね。
好ましい状況では、メンバーとの関係や仕事の条件が整っているので、リーダーは目標達成に集中しやすくなります。
一方、かなり好ましくない状況では、まず仕事の方向性をはっきりさせ、課題を前に進める力が必要になります。

塚口理央
はい。
そのため、両端の状況ではタスク志向が有効とされます。

塚口理央
状況が中程度の場合は、人間関係志向のリーダーが有効とされます。
ある程度は仕事を進められるけれど、まだメンバーとの関係や協力体制を整える必要があるためです。

塚口理央
はい。
ただし、細かい条件を丸暗記するよりも、まずはリーダーシップの有効性は状況に依存する、という考え方を押さえることが大切です。

塚口理央
その通りです。
PM理論がリーダーの行動に注目する理論だとすると、コンティンジェンシー理論は、リーダーシップと状況の適合に注目する理論だと考えると整理しやすいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 考え方 | 唯一最適なリーダーシップは存在せず、有効性は状況によって変わる |
| 注目点 | リーダーシップと状況の適合 |
| 状況の例 | リーダーとメンバーの関係、仕事の明確さ、リーダーの職位上の権限 |
| 権限の例 | 報酬・インセンティブ、評価、配置転換、解雇などに関わる権限 |
| 好ましい状況 | タスク志向が有効 |
| 中程度の状況 | 人間関係志向が有効 |
| 好ましくない状況 | タスク志向が有効 |
STEP 3
SL理論

塚口理央
次は、SL理論です。
SL理論は、部下やメンバーの成熟度に応じて、リーダーシップの形を変えるという考え方です。

塚口理央
そうですね。
SLは、Situational Leadershipの略です。
日本語では、状況対応型リーダーシップと説明されることがあります。

塚口理央
はい。
状況に応じてリーダーシップを変える、という意味では似ています。
ただし、SL理論では特に、部下やメンバーの成熟度に注目します。

塚口理央
ここでいう成熟度は、性格が大人っぽいという意味ではありません。
仕事に必要な能力、経験、意欲、自立度などを含めた考え方です。

塚口理央
はい。
例えば、新人にいきなり全部任せますと言っても困ってしまいますよね。

塚口理央
逆に、十分に経験があって、自分で判断できる人に、細かく指示し続けるとどうでしょうか。

塚口理央
その通りです。
だから、部下やメンバーの成熟度に応じて、指示の出し方や支援の仕方を変える必要があります。

塚口理央
はい。
SL理論では、リーダーの行動を大きく、指示的行動と支援的行動で考えます。

塚口理央
指示的行動は、何を、いつ、どのように行うかを具体的に示す行動です。
支援的行動は、相談に乗ったり、励ましたり、相手の考えを聞いたりする行動です。

塚口理央
その理解で大丈夫です。
そして、部下の成熟度に応じて、この指示的行動と支援的行動の組み合わせを変えます。

塚口理央
大丈夫です。
まず、成熟度が低い段階では、指示型が有効です。

塚口理央
はい。
何をすればよいか分からない段階では、リーダーが具体的に指示して、仕事の進め方を示します。

塚口理央
その通りです。
次に、少し慣れてきた段階では、説得型が有効です。

塚口理央
それでは説教型になってしまいますね。
ここでいう説得型は、指示を出しながら、その理由も説明し、相手の納得を得ようとする関わり方です。

塚口理央
そうなんですね。
全く面白くなかったので、ボケとは気づきませんでした。すみません。

塚口理央
では、説明に戻ります。
説得型では、こうしてくださいと指示するだけでなく、なぜそれが必要なのかも伝えます。

塚口理央
はい。
次に、さらに成熟度が高くなると、参加型が有効になります。

塚口理央
はい。
リーダーが一方的に指示するのではなく、相談しながら進めたり、意見を引き出したりします。

塚口理央
その通りです。
なお、この参加型は、資料によっては相談型や援助型と書かれていることもあります。

塚口理央
そうですね。
ただし、意味としては、部下と相談しながら進めたり、部下を支援したりする関わり方だと考えれば大丈夫です。

塚口理央
はい。
最後に、成熟度が高い段階では、委任型が有効です。

塚口理央
はい。
能力も意欲もあり、自分で判断できる相手には、細かく指示するよりも、権限を渡して任せる方が効果的です。

塚口理央
その通りです。
委任は放置ではありません。
必要な権限を渡し、責任を明確にしたうえで任せることです。

| 成熟度 | リーダーシップの形 | 内容 |
|---|---|---|
| 低い | 指示型 | 具体的に指示し、仕事の進め方を示す |
| やや低い | 説得型 | 指示しながら、理由を説明して納得を得る |
| やや高い | 参加型 | 相談しながら進め、本人の考えを引き出す |
| 高い | 委任型 | 権限を渡し、本人に任せる |

塚口理央
SL理論は、部下の成熟度に応じて、リーダーシップの形を変える理論だと押さえておきましょう。
STEP 4
サーバントリーダーシップ

塚口理央
次は、サーバントリーダーシップです。
これは、リーダーがメンバーに奉仕し、支援することで、組織を良い方向へ導くという考え方です。

塚口理央
そうです。
よく分かりましたね。

塚口理央
私の知る限り、今はいませんよね。

塚口理央
サーバントには、奉仕する人、仕える人という意味があります。
サーバントリーダーシップでは、リーダーが上から命令するのではなく、メンバーを支え、成長を助けることで、結果として組織を導いていきます。

塚口理央
そうですね。
リーダーだからといって、ただ命令したり、部下を従わせたりするのではありません。
メンバーの話を聞き、困っていることを支援し、一人ひとりが力を発揮できるようにします。

塚口理央
はい。
ただし、単に優しいだけではありません。
メンバーを支援しながら、組織としての目的を達成できるように導くことが大切です。

塚口理央
その通りです。
サーバントリーダーシップでは、傾聴、共感、支援、信頼関係、メンバーの成長などが重視されます。

塚口理央
傾聴は、耳を傾けて聴くという意味です。
相手の話をただ聞くのではなく、考えや気持ちを理解しようとしながら、しっかり聴くことですね。

塚口理央
はい。
そして、共感は、相手の立場や気持ちを理解しようとすることです。
支援は、相手が力を発揮できるように助けることです。

塚口理央
そうです。
そうすることで、メンバーが自分で考え、成長し、組織に貢献できるようになります。

塚口理央
確かに、それは難しい問題かもしれませんね。
サーバントリーダーシップは、何でも許すことではありません。
メンバーの成長や組織の目的のために、必要な支援を行う考え方です。

塚口理央
はい。
支援することと、甘やかすことは違います。
相手の力を引き出しながら、組織の目的に向かって導くことが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 考え方 | リーダーが奉仕や支援を通じて組織を導く |
| 重視するもの | 傾聴、共感、支援、信頼関係、メンバーの成長 |
| 注意点 | 単に甘やかすことではなく、成長と目的達成を支える |
| ポイント | メンバーを支援し、力を引き出すリーダーシップ |
STEP 5
シェアードリーダーシップ

塚口理央
最後は、シェアードリーダーシップです。
これは、リーダーシップを特定の1人だけに固定せず、チームのメンバー全体で共有するという考え方です。

塚口理央
はい。
よく分かりましたね。
シェアードリーダーシップでは、1人のリーダーだけが常に指示を出すのではなく、メンバー同士が影響を与え合いながら、チームを動かしていきます。

塚口理央
イメージとしては近いですね。
ただし、全員が同時にバラバラに指示を出すという意味ではありません。

塚口理央
そうですね。
シェアードリーダーシップでは、状況や得意分野に応じて、中心になる人が変わると考えると分かりやすいです。

塚口理央
はい。
例えば、技術的な問題では技術に詳しい人が中心になり、顧客対応では顧客との調整が得意な人が中心になる、といった形です。

塚口理央
その通りです。
リーダーシップを1人に集中させるのではなく、チーム全体で分担することで、メンバーの知識や強みを活かしやすくなります。

塚口理央
はい。
特に、専門性が高い仕事や、変化が速いプロジェクトでは、1人だけがすべてを判断するのが難しい場合があります。

塚口理央
そうですね。
だからこそ、メンバー同士が知識を出し合い、必要な場面でリーダーシップを発揮することが重要になります。

塚口理央
いいえ。
正式なリーダーが不要になるという意味ではありません。
正式なリーダーは、全体の方向性を整えたり、メンバーが力を発揮しやすい環境を作ったりする役割を持ちます。

塚口理央
その通りです。
シェアードリーダーシップでは、リーダーシップを個人の資質や役職だけに限定せず、チームの中で共有されるものとして考えます。

塚口理央
はい。
ここでは、リーダーシップをチーム内で分かち合うこと、そして状況や得意分野に応じてメンバーがリーダーシップを発揮すること、この2つをセットで整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 考え方 | リーダーシップを特定の1人に固定せず、チーム内で共有する |
| 特徴 | 状況や得意分野に応じて、中心になる人が変わる |
| メリット | メンバーの知識や強みを活かしやすい |
| 注意点 | 全員がバラバラに指示を出すことではない |
| 整理ポイント | リーダーシップを分かち合うこと、得意分野で発揮すること |
STEP 6
理論の違いを整理する

塚口理央
ここで、今回学習したリーダーシップ理論を整理しましょう。

塚口理央
リーダーシップ理論は、それぞれ何に注目しているかを見ると整理しやすくなります。

塚口理央
はい。
PM理論は、リーダーの行動に注目します。
P機能とM機能で、リーダーの行動を分類します。

塚口理央
コンティンジェンシー理論は、リーダーシップと状況の適合に注目します。
リーダーシップの有効性は、状況によって変わると考えます。

塚口理央
SL理論は、部下やメンバーの成熟度に注目します。
成熟度に応じて、指示型、説得型、参加型、委任型のように関わり方を変えます。

塚口理央
サーバントリーダーシップは、奉仕や支援に注目します。
リーダーがメンバーを支え、力を引き出す考え方です。

塚口理央
シェアードリーダーシップは、リーダーシップの共有に注目します。
特定の1人だけでなく、チーム内でリーダーシップを分かち合う考え方です。

塚口理央
はい。
このように、理論名だけで覚えるよりも、何に注目している理論かをセットで覚えると整理しやすくなります。
| 理論・考え方 | 注目するもの | ポイント |
|---|---|---|
| PM理論 | リーダーの行動 | P機能とM機能でリーダーの行動を分類する |
| コンティンジェンシー理論 | 状況との適合 | リーダーシップの有効性は状況に依存する |
| SL理論 | 部下・メンバーの成熟度 | 成熟度に応じて関わり方を変える |
| サーバントリーダーシップ | 奉仕・支援 | 支援を通じてメンバーの力を引き出す |
| シェアードリーダーシップ | チームでの共有 | リーダーシップを分かち合い、得意分野で発揮する |

塚口理央
その通りです。
細かい名前に迷ったときも、何の話をしているかを見ると判断しやすくなります。
まとめ

塚口理央
最後にまとめます。
今回は、リーダーシップ論として、PM理論、コンティンジェンシー理論、SL理論、サーバントリーダーシップ、シェアードリーダーシップを学習しました。

塚口理央
はい。
リーダーシップ論では、理論名と、その理論が何に注目しているかをセットで覚えることが大切です。

塚口理央
その通りです。
PM理論は行動、コンティンジェンシー理論は状況、SL理論は部下の成熟度、サーバントリーダーシップは奉仕や支援、シェアードリーダーシップは共有、というように整理しておきましょう。

塚口理央
はい。
それぞれの違いを押さえておけば、かなり判断しやすくなります。

塚口理央
はい。
今日もお疲れさまでした。
確認問題
学習完了
塚口理央コイン × 2 を獲得できます。
確認問題に全問正解すると、講師コインを獲得できます。
未ログイン中のコインは、このブラウザに一時保存されます。無料登録またはログイン後に、アカウントへ反映できます。







