教育技法

教育技法には、OJT・Off-JT、ロールプレイング、ケーススタディ、eラーニングなどがあります。それぞれの特徴と違いに加え、個人に合わせた学習方法や、仕事の変化に対応する学び直しについても学習します。

最終更新日:2026年10月30日

このページで覚えること

このページでは、次の3点を押さえます。

  • OJT・Off-JT、ロールプレイング・ケーススタディの特徴と違い
  • eラーニングとアダプティブラーニングの特徴
  • リスキリングとリカレント教育の考え方
塚口理央

塚口理央

今回は、教育技法について学習します。

バロン

バロン

今回も、人を育てる方法の話ですな。

塚口理央

塚口理央

はい。
今回は、これまでよりも具体的な教育の方法を学習します。

バロン

バロン

おぉ、実践的な勉強なのですな。

塚口理央

塚口理央

あくまで方法論の学習にはなりますが、知っておいて損はないと思います。
バロンくんは以前、使用人の方に仕事を教えた経験があると言っていましたね。

バロン

バロン

そうですぞ。
タコの唐揚げ八箇条を、朝礼で唱和させたりもしましたな。

バロン

バロン

一つ、タコには常に感謝と敬意を払うべし!
二つ、衣は薄く、されど忠誠心は厚くあるべし!
三つ、油の温度は気合いで見極めるべし!
四つ、手を止めず、一定のリズムで揚げるべし!
五つ、つまみ食いは男爵だけの特権と心得るべし!
六つ、失敗にも価値があることを認識すべし!
七つ、タコ唐は熱いうちに食すべし!
八つ、タコ唐は冷めても美味しく食すべし!

塚口理央

塚口理央

とても良い八箇条だと思います。
今回は、仕事の中でスキルを習得する方法や、擬似体験を通してスキルを習得する方法など

バロン

バロン

もっとちゃんとした感想を聞かせて欲しいですぞ。

塚口理央

塚口理央

最初が感謝の気持ちが大切というのはとてもいいと思います。
六つ目の失敗にも価値があるという考え方も素晴らしいですね。

バロン

バロン

こう言っておかないと勝手に捨ててしまう者がおりましてな。
少し焦げた程度であれば、普通に食べられますぞ。

塚口理央

塚口理央

失敗作も捨てないでくださいという訓示なのですね。

バロン

バロン

そうですぞ。

塚口理央

塚口理央

今回は、仕事の中でスキルを習得する方法や、擬似体験を通してスキルを習得する方法など

バロン

バロン

また、氷の女王モードが発動したですぞ。

塚口理央

塚口理央

何か言いましたか?

バロン

バロン

こおりゃ、今日のじゅぎょーも、楽しそうですぞといいましたぞ。

塚口理央

塚口理央

それは良かったです。
それでは早速本題に入っていきましょう。

OJTとOff-JT

塚口理央

塚口理央

企業の教育・訓練には、OJTとOff-JTという2つの代表的な方法があります。
まず、OJTはOn the Job Trainingの略です。

バロン

バロン

オン・ザ・ジョブ……仕事を通じて教えるということですな。

塚口理央

塚口理央

はい。上司や先輩などが、実際の仕事を通じて、必要な知識や技能を教える方法です。
例えば、バロンくんが新しい使用人の方と一緒にお茶会の準備をしながら、道具の使い方や配膳の手順を教える場合です。

バロン

バロン

実際に仕事をしながら教えればよいのなら、楽そうですな。

塚口理央

塚口理央

ただし、行き当たりばったりに教えていては、十分な教育になりません。
何を身に付けてもらうか、どのような順番で教えるかをあらかじめ決め、実際にできるようになったかも確認する必要があります。

バロン

バロン

教える側も、きちんと準備しておく必要があるのですな。

塚口理央

塚口理央

はい。実務に結び付いた技能を教えやすく、その場で助言できることが利点です。
一方で、指導者の教え方や仕事の忙しさによって、教育内容に差が出ることもあります。

バロン

バロン

忙しいからといって、適当に教えてはいけませんな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
以前学んだティーチングやコーチングも、相手の経験や習得状況に応じて、OJTの中で活用できます。

塚口理央

塚口理央

一方、Off-JTはOff the Job Trainingの略で、通常の業務から離れて行う教育・訓練です。
講義や演習、研修などを通じて、必要な知識や技能を教えます。

バロン

バロン

使用人をスクールに通わせるということですかな?

塚口理央

塚口理央

それも一つの方法ですが、必ずしも外部の施設に通う必要はありません。
例えば、社内で通常の業務とは別に時間を設けて、接客の講義や練習を行う場合もOff-JTです。

バロン

バロン

なるほど、職場の中でもOff-JTはできるのですな。

塚口理央

塚口理央

はい。場所ではなく、通常の業務から離れて学ぶかどうかがポイントです。
Off-JTでは知識や技能を体系的に教えやすい一方で、学んだことを実際の仕事で使えるようにする工夫が必要です。

バロン

バロン

研修だけで終わらせず、実際の仕事でも試してもらうのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
Off-JTで基本を教え、OJTで実践してもらうというように、組み合わせて進めることもできます。

ここで覚えること

  • OJTは、実際の仕事を通じて、上司や先輩などの指導を受けながら学ぶ方法。
  • Off-JTは、通常の業務から離れて、講義や研修などで学ぶ方法。
  • OJTでは、行き当たりばったりにならないよう、計画的な指導が重要。
  • Off-JTは体系的に学びやすく、OJTと組み合わせることもできる。

ロールプレイングとケーススタディ

塚口理央

塚口理央

次は、Off-JTなどで使われる具体的な教育技法として、ロールプレイングとケーススタディを見ていきましょう。
ロールプレイングは、仕事などで起こりそうな場面を設定し、参加者が役割を演じながら、対応を練習する方法です。

バロン

バロン

お芝居のようなことをするのですかな?

塚口理央

塚口理央

役割を演じるという点では、似ていますね。
例えば、レストランの店員とお客さんの役に分かれて、「料理がまだ届いていない」と言われたときの応対を練習します。

バロン

バロン

それなら、バロンはお客さんの役をやりますぞ。

塚口理央

塚口理央

食べる練習ではありませんよ。
相手の話を聞き、状況を確認して、どう応対するかを練習します。

バロン

バロン

分かっておりますぞ。
実際の客人が来る前に、練習しておけるのは助かりますな。

塚口理央

塚口理央

はい、接客や営業、面談などの場面で、対応力やコミュニケーションの技能を養うために使われます。
練習後には、よかった点や改善できる点を振り返ることも大切です。

塚口理央

塚口理央

ケーススタディは、実際に起きた事例や、現実に起こり得る想定事例をもとに、問題の原因や対応策などを分析・検討する方法です。
個人で考えたり、参加者同士で討議したりして、判断力や問題解決力を養います。

塚口理央

塚口理央

例えば、料理を一度に作りすぎて、提供するまでに冷めてしまった事例などです。
準備や配膳の流れを読み取り、どこに問題があったのか、どう改善できるのかを考えます。

バロン

バロン

事例を題材にして学習するから、ケーススタディというのですな。

塚口理央

塚口理央

はい。
情報漏えい事故の事例を読み、原因や再発防止策を検討する研修も、ケーススタディの一例です。

バロン

バロン

自分が同じ失敗をする前に、事例から学べるのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
ロールプレイングは役割を演じて対応を練習すること、ケーススタディは事例を分析・検討することに注目して区別しましょう。

ここで覚えること

  • ロールプレイングは、役割を演じながら、実際に起こり得る場面での対応を練習する方法。
  • ケーススタディは、事例をもとに、問題の原因や対応策を分析・検討する方法。
  • ロールプレイングは対応力、ケーススタディは判断力や問題解決力の育成に役立つ。

eラーニング

塚口理央

塚口理央

eラーニングは、コンピュータやネットワークなどを活用して学習する方法です。
動画やデジタル教材、オンラインの確認問題などを使って学習します。

バロン

バロン

録画した教材を使えば、同じ説明を何度もしなくて済みますな。

塚口理央

塚口理央

そうですね。特に録画教材なら、受講者も自分の都合のよい時間に学習でき、必要な部分を繰り返し確認できます。

バロン

バロン

それなら、タコの唐揚げ八箇条も動画にしますぞ。

塚口理央

塚口理央

動画にするなら、八箇条の朗読だけで終わらせないでくださいね。
作業の手順や注意点も映すと、理解を助けられます。

バロン

バロン

どこに気を付けるのか、目で見て分かるようにするのですな。

塚口理央

塚口理央

はい。ただし、教材を最後まで見たことと、内容を理解できたことは別なので、確認問題や質問できる仕組みなども必要です。

バロン

バロン

見てもらって終わりではなく、分かったかどうかも確かめるのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
実際の技能については、作業をしてもらって確認するなど、実技練習と組み合わせることも有効です。

バロン

バロン

ところで、eラーニングは、OJTとOff-JTに続く三つ目の種類なのですかな?

塚口理央

塚口理央

分類の観点が違います。
OJTとOff-JTは実務との関係、eラーニングは学習に使う手段に着目した呼び方です。

バロン

バロン

それなら、通常の仕事から離れて、eラーニングで動画を見るのもOff-JTということですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
このように、異なる観点の教育方法を組み合わせることもできます。

ここで覚えること

  • eラーニングは、コンピュータやネットワークなどを活用する学習方法。
  • 録画教材などでは、時間や場所を調整しやすく、繰り返し学習できる。
  • 教材を視聴するだけでなく、理解度や技能の習得状況を確認することも重要。
  • eラーニングは学習手段であり、Off-JTと組み合わせて実施できる。

アダプティブラーニング

塚口理央

塚口理央

eラーニングなどに取り入れられる学習の工夫に、アダプティブラーニングがあります。
学習者の理解度や進み具合などに応じて、学習内容や難易度、順序などを調整する方法です。

バロン

バロン

全員が同じ内容を、同じように学ぶわけではないのですかな?

塚口理央

塚口理央

はい、例えば確認問題の結果から、基礎を十分に理解できている人には応用問題を提示します。
まだ理解できていない人には、基礎の復習や、その人がつまずいた部分の練習問題を提示します。

バロン

バロン

得意なところと苦手なところで、進め方を変えてくれるのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
学習履歴やテスト結果などをもとに、一人ひとりに必要な教材を提示する仕組みなどが使われます。

バロン

バロン

苦手なところが分かれば、何を勉強すればよいかも分かりますな。

塚口理央

塚口理央

はい。
すでに理解できている内容と、復習が必要な内容を見分け、その人に合う学習を進めることで、効率や理解の向上を目指します。

バロン

バロン

好きな動画を自由に選べるだけでも、アダプティブラーニングなのですかな?

塚口理央

塚口理央

自由に教材を選べるだけでは、アダプティブラーニングとは限りません。
理解度などの学習状況に応じて、その人に合う内容や進め方に調整することがポイントです。

バロン

バロン

好みだけではなく、今の自分に必要な学習に合わせるのですな。

塚口理央

塚口理央

はい。
eラーニングに、このような学習者ごとの調整の仕組みを取り入れることもできます。

ここで覚えること

  • アダプティブラーニングは、学習者の理解度や進み具合などに応じて、学習内容や難易度などを調整する方法。
  • 学習履歴やテスト結果などを活用し、一人ひとりに合った学習を目指す。
  • 自由に教材を選べるだけでは、アダプティブラーニングとは限らない。

リスキリングとリカレント教育

塚口理央

塚口理央

ここまでは、教え方や学び方を見てきました。
最後は、仕事や社会の変化に応じて学び直すことについて考えましょう。

塚口理央

塚口理央

まずは、リスキリングです。
リスキリングは、新しい仕事に就いたり、今の仕事に必要な技能の大きな変化に対応したりするために、必要な知識や技能を身に付けることです。

バロン

バロン

これまでとは違う仕事ができるように、新しく勉強するのですかな?

塚口理央

塚口理央

その理解で大丈夫です。
例えば、店舗での販売を中心としていた会社がネット販売に事業を広げるため、従業員がECサイトの運営や販売データの分析を学ぶ場合です。

バロン

バロン

タコの唐揚げを売るにしても、店頭で売るのと、ネットで売るのとでは、必要な知識が変わるのですな。

塚口理央

塚口理央

はい、事業や仕事の進め方が変わると、新たな知識や技能が必要になります。
これまでの経験を生かしながら、新しい仕事に対応できるように学ぶことが大切です。

バロン

バロン

長年働いている人でも、新しく学ぶ必要があるのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
リスキリングは新人だけを対象とするものではなく、経験豊富な人にとっても重要な取組です。

塚口理央

塚口理央

社会に出た後も、必要に応じて学び直し、学びと仕事や生活を結び付けていく考え方に、リカレント教育があります。
働きながら講座に通ったり、オンラインで学んだりする場合も含まれます。

バロン

バロン

一度学校を出たら、それで勉強が終わりというわけではないのですな。

塚口理央

塚口理央

はい、仕事に必要な技能に加え、技術や教養などを学ぶ場合もあります。
学び直しのために、必ず仕事を辞めなければならないわけでもありません。

バロン

バロン

リスキリングとも、少し似ていますな。

塚口理央

塚口理央

はい、リカレント教育は社会人の学び直しを広く捉えたもので、その中にリスキリングを含めて考えることもあります。
リスキリングでは、特に、新しい仕事や仕事の大きな変化に対応するための技能習得に注目してください。

バロン

バロン

学び続ける中で、新しい仕事に必要なことも身に付けるのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
また、職場では、法令や社内規程などを繰り返し学び、理解や意識を定着させることも大切です。

バロン

バロン

教える側も、一度覚えたことで満足してはいられませんな。

塚口理央

塚口理央

はい、教える側にも、知識を更新していく姿勢が必要です。
昔のやり方が、今もそのまま通用するとは限りませんからね。

バロン

バロン

バロンも、教える準備をしながら、学ぶことを続けていきますぞ。

ここで覚えること

  • リスキリングは、新しい仕事や、仕事に必要な技能の大きな変化に対応するために、知識や技能を習得すること。
  • リカレント教育は、社会に出た後も、必要に応じて学び直す考え方。
  • リカレント教育は広い概念で、リスキリングと重なる場合もある。
  • 教える立場の人も、知識や技能を更新し続けることが大切。

今日のまとめ

塚口理央

塚口理央

今回学習した用語を、それぞれ何に注目したものなのかで整理しましょう。

用語覚えておきたいポイント
OJT指導を受けながら、実際の仕事を通じて学ぶ
Off-JT通常の業務から離れて、研修などで学ぶ
ロールプレイング役割を演じて、対応を練習する
ケーススタディ事例をもとに、原因や対応策を分析・検討する
eラーニングコンピュータやネットワークなどを活用して学ぶ
アダプティブラーニング理解度などに応じて、学習内容や進め方を調整する
リスキリング新しい仕事や、必要な技能の大きな変化に対応するために学ぶ
リカレント教育社会に出た後も、必要に応じて学び直す
バロン

バロン

今回は、OJTとOff-JT、ロールプレイングとケーススタディ、それに学習方法の工夫や学び直しの考え方と、グループに分けて覚えるとよさそうですな。

塚口理央

塚口理央

そうですね。それぞれ何に着目した用語なのかを整理しておくことが大切です。
また、実際の教育では、これらを組み合わせて使うこともできます。
例えば、ネット販売に対応するためのリスキリングとして、eラーニングによるOff-JTを実施し、理解度に応じて教材を調整することもできます。

バロン

バロン

目的や学ぶ方法を組み合わせて、一人ひとりに合う教育にするのですな。

塚口理央

塚口理央

そのとおりです。
何をできるようになってほしいのかを考え、理解や技能の身に付き方を確かめながら進めましょう。

バロン

バロン

今日も勉強になりましたぞ。
教わる側の努力だけでなく、教える側の準備や工夫も大切なのですな。

塚口理央

塚口理央

ええ、そのことが分かれば、以前よりも上手に教えられそうですね。
では、確認問題で理解できたか確かめましょう。

確認問題

問1 OJTの例として、最も適切なものはどれか。
問2 Off-JTの説明として、最も適切なものはどれか。
問3 ロールプレイングの説明として、最も適切なものはどれか。
問4 eラーニングに関する説明として、最も適切なものはどれか。
問5 アダプティブラーニングの説明として、最も適切なものはどれか。
問6 ある会社は、店舗販売からネット販売へ事業を広げるため、従業員がECサイトの運営や販売データの分析を学ぶ取組を始めた。この取組の目的に最も直接当てはまるものはどれか。
問7 リカレント教育に関する説明として、最も適切なものはどれか。
問8 教育方法の関係について、最も適切なものはどれか。