MBO(目標による管理と自己統制)
MBOは、組織の目標に沿って個人の目標を設定し、その達成に向けて本人が主体的に行動する管理手法です。目標管理制度とも呼ばれ、自分で進み具合を確認し、行動を調整する自己統制を重視します。
最終更新日:2026年10月13日
このページで覚えること
このページでは、次の3点を押さえます。
- MBOの意味と、組織の目標と個人の目標の関係
- 自己統制の意味と、目標達成に向けた取り組み方
- SMARTの法則を構成する5つの要素と、具体的な目標の立て方
導入トーク

塚口理央
今回は、MBOについて学習します。

塚口理央
奈津子先生が説明したとすると、Management BuyoutのMBOでしょうか?

塚口理央
よく覚えていましたね。とても優秀です。

塚口理央
ですが、今回学習するのは、Management by Objectives and self-controlのMBOです。

塚口理央
はい。経営陣が会社を買い取るMBOとは別で、目標を定め、その達成に向けて仕事を進めるための考え方です。
同じ略語でも意味が違うことはありますからね。

塚口理央
そういえば、最近、愛華先生たちと「タコパ」をしませんでしたか?

塚口理央
いえ、それはよいのですが、タコパといえば、普通は「たこ焼きパーティー」です。
「タコ唐パーティー」ではありません。

塚口理央
真琴先生が、愛華先生の誤解を解くのが大変だったと言っていましたね。

塚口理央
次からは、何を食べるパーティーなのかも伝えてあげてください。
略した本人だけが分かっていても、相手には伝わりませんからね。

塚口理央
そういうことです。
それでは、今回のMBOについても、まずは意味を確認するところから始めましょう。
STEP 1
MBO

塚口理央
MBOは、組織の目標と個人の目標を結び付け、その達成に向けて一人ひとりが主体的に取り組む管理手法です。
日本語では、目標管理制度とも呼ばれます。

塚口理央
はい。ここで大切なのは、個人の目標を達成することが、組織の目標の達成にもつながるようにすることです。
例えば、会社が「顧客からの問い合わせに、より早く対応できるようにする」という目標を掲げたとしましょう。

塚口理央
そうですね。
そこで、問い合わせを担当する社員が、次のような目標を考えます。
目標例
- よくある質問への回答をまとめ、3か月後までに、自分が担当する問い合わせの平均対応時間を20分から15分に短縮する。

塚口理央
この目標を達成すれば、会社が目指す「より早い対応」にも貢献できます。

塚口理央
そのとおりです。
また、個人の目標は、本人が自分の役割や課題を踏まえて考え、上司と話し合って、目標や達成の基準を共有します。

塚口理央
はい。本人も目標の設定に参加することが大切です。
何を目指すのか、なぜ取り組むのかを理解し、納得して取り組むことで、意欲や責任感にもつながります。

塚口理央
そうですね。
MBOは、目標を通じて、組織の成果と、一人ひとりの主体的な行動を結び付ける考え方です。
ここで覚えること
- MBOは、目標管理制度とも呼ばれる。
- 組織の目標と個人の目標を結び付ける。
- 本人も目標の設定に参加し、上司と目標や達成の基準を共有する。
STEP 2
自己統制

塚口理央
MBOの英語表記は、Management by Objectives and self-controlです。
Objectivesは目標、self-controlは自己統制を意味します。

塚口理央
ここでは、目標に向けて、自分で進み具合を確認し、必要に応じて行動を調整することだと考えてください。
「予定どおりに進んでいるか」「今の方法で成果が出ているか」を、自分でも確かめるのです。

塚口理央
はい。
先ほどの問い合わせ対応なら、回答をまとめた後に、対応時間が短くなっているかを確認します。
もし、必要な回答を探すのに時間がかかっているなら、質問の種類ごとに整理し直す、といった工夫が考えられます。

塚口理央
そのとおりです。
目標を意識しながら、自分で考えて仕事を進めることが大切です。

塚口理央
相談して構いません。
上司にも、進み具合を確認し、助言や必要な支援を行う役割があります。
困っていることまで、一人で抱え込む必要はありません。

塚口理央
はい。そして、決めた期間が終わったら、目標に対してどの程度達成できたかを振り返ります。
うまくいった点や課題を、次の目標や取り組みに生かしていきます。

塚口理央
なお、MBOは、Management by Objectivesと表記されることもあります。
その場合も、自己統制の考え方がなくなるわけではありません。

塚口理央
そうですね。
「目標を決めて、最後に評価する」という部分だけでなく、目標に向かって本人が主体的に取り組むことまで押さえてください。
ここで覚えること
- self-control=自己統制
- 自分で進み具合を確認し、目標達成に向けて行動を調整する。
- 必要に応じて、上司の助言や支援も受ける。
- 達成状況を振り返り、次の取り組みに生かす。
STEP 3
SMARTの法則

塚口理央
ここまで、目標に向かって取り組むことを説明しました。
では、どのような目標を立てればよいのでしょうか。
バロンくんには、何か目標がありますか?

塚口理央
よいですね。
ただ、「立派になったかどうか」は、そのままでは確かめにくいですね。
まずは、何ができるようになりたいのかを、もう少し具体的にしてみましょう。

塚口理央
そこで役立つのが、SMARTの法則です。
目標を設定するときに確認したい、5つの要素の頭文字を並べたものです。
| 要素 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| S:Specific | 具体的である | 何を達成するのかが、はっきりしているか |
| M:Measurable | 測定できる | 達成できたかどうかを、確かめられるか |
| A:Achievable | 達成可能である | 現在の能力や使える時間を踏まえ、実現を目指せるか |
| R:Relevant | 関連性がある | 組織の目標や、自分が目指すことにつながっているか |
| T:Time-bound | 期限がある | いつまでに達成するのかが決まっているか |

塚口理央
なんですかそれは?

塚口理央
Specificは、具体的なという英単語ですね。
これは少し難しいので、Sから具体的なという言葉を思い出すのは大変かもしれませんね。

塚口理央
ただ、目標は具体的でないとダメというのは分かりやすい話だと思うので、先に具体的であるというところを覚えればいいと思います。

塚口理央
Measurableは、測定できるという英単語ですが、これはmeasureから思い出せばいいですね。

塚口理央
長さを測る巻き尺ですね。

塚口理央
点数や件数などの数字を使うと、分かりやすくなります。
例えば、「問題をたくさん解けるようになる」よりも、「100問中80問以上正解する」の方が、達成したかどうかを確かめやすいですね。
ただし、数字だけでなく、「指定された内容の資料を完成させる」など、達成を判断できる基準を決めることも大切です。

塚口理央
Achievableは、達成可能であるという英単語です。
バロンくんであれば、アチーブメントと言えばイメージできますか?

塚口理央
そうですね。
なので、アチーブメント=達成から思い出せばいいと思います。
これは、今の知識や経験、使える時間などを考えて、努力すれば手が届く目標を設定します。

塚口理央
すでにできることだけでは、あまり成長できませんね。
無理な目標にする必要はありませんが、少し頑張ることも予定に入れておきましょう。

塚口理央
立派になるお手伝いですから。

塚口理央
Relevantは、関連性があるという英単語です。
これも少し難しいですが、ITの分野ではRelationやRelationalという言葉がよく出てきます。
Relationは「関係」、Relationalは「関係のある」という意味なので、そこから関連性を思い出すとよいでしょう。

塚口理央
この「関連性がある」は、その目標が、何のための取り組みなのかを確認する視点です。
会社であれば、組織の目標や自分の仕事上の役割につながっているかを考えます。

塚口理央
Time-boundは、期限があるという意味です。

塚口理央
どうしてそう思いましたか?

塚口理央
バロンくんはゴルフもするんですね。

塚口理央
良い覚え方かなとも思いますが、単語の成り立ちとしては、違います。

塚口理央
time-boundのboundは、縛る、制約するという意味のbindの過去分詞です。
ここでは、「時間によって制約された」という意味で使われています。
time-boundで、時間的な制限がある、つまり期限があると考えてください。

塚口理央
ということで、目標設定に重要な要素は、具体的で、達成を確かめられ、実現を目指せて、目的に合っていて、期限がある。
この5つを確認するのがSMARTです。
ここで覚えること
- SMARTは、目標を設定するときの5つの確認ポイント。
- 具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限を押さえる。
- 目標の内容だけでなく、達成の基準や目的とのつながりも明確にする。
STEP 4
目標設定

塚口理央
では、「ITスキルを身に付けて立派になりたい」という目標を、具体的にしてみましょう。
ITスキルにはさまざまなものがありますが、まずは、ITの基礎知識を固めることを目指してはどうでしょうか。

塚口理央
そうですね。
例えば、ITパスポートの模擬問題を使えば、理解度を確かめられます。
今は、どのくらい解けそうですか?

塚口理央
では、その状況を踏まえて、次のような目標を考えてみましょう。
SMARTを意識した目標例
- ITの基礎知識を身に付けるため、3か月後までに、初めて解くITパスポートの模擬問題100問で80問以上正解する。

塚口理央
はい。SMARTに当てはめると、次のように整理できます。
| 要素 | 今回の目標で確認すること |
|---|---|
| S:具体的 | ITパスポートの学習範囲に含まれる、ITの基礎知識を身に付ける |
| M:測定可能 | 100問中80問以上の正解を、達成の基準にする |
| A:達成可能 | 現在は5割程度正解でき、毎日30分学習できることを踏まえて、目標の水準を考える |
| R:関連性 | ITの基礎知識を固め、ITスキルを身に付けたいという目標につなげる |
| T:期限 | 3か月後までに達成する |

塚口理央
はい。次は、その目標に向けて、どのように取り組むかを考えます。
例えば、「毎日30分学習し、週末に間違えた問題を振り返って、次の週に復習する内容を決める」という計画が立てられます。

塚口理央
そのとおりです。
自分の理解度を確認し、学習の進め方を調整する。先ほど説明した、自己統制の考え方ですね。
途中で理解できないところが出てきたら、先生に質問しても構いません。

塚口理央
はい。
そして、期限が来たら、達成できたかどうかを確認します。
達成できた場合も、できなかった場合も、取り組みを振り返り、次に何を学ぶかを考えていきましょう。
ここで覚えること
- 漠然とした願いを、SMARTで具体的な目標にする。
- 目標を決めたら、達成に向けた行動計画を立てる。
- 進み具合を確認して行動を調整し、結果を次の取り組みに生かす。
STEP 5
今日のまとめ

塚口理央
今回は、MBOとSMARTの法則を学習しました。
まずは、それぞれの役割を整理しましょう。
| 用語 | 押さえるポイント |
|---|---|
| MBO | 組織の目標と個人の目標を結び付け、本人が主体的に達成を目指す |
| 自己統制 | 自分で進み具合を確認し、目標達成に向けて行動を調整する |
| SMARTの法則 | 具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限の5つの視点で、目標を設定する |

塚口理央
はい。本人も目標の設定に参加し、上司と目標や達成の基準を共有します。
そのうえで、自分で考えて行動し、必要に応じて上司の支援も受けながら、目標の達成を目指します。

塚口理央
そのとおりです。
MBOでは、目標を決めることだけでなく、その目標に向けて主体的に取り組むことが重要でした。
そして、目標を分かりやすく設定するときに役立つのが、SMARTです。

塚口理央
はい。目標が具体的になれば、今やるべきことや、どこまで進んだかを確かめやすくなります。
試験では、MBOは組織と個人の目標を結び付ける管理手法、SMARTは目標設定のための5つの視点と整理してください。

塚口理央
その意気です。
では、今日の理解度も確かめておきましょう。確認問題に進みます。
STEP 6
確認問題
学習完了
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