イノベーション
イノベーションは、新しい技術やアイデアを製品・サービスや仕事の仕組みなどに取り入れ、新たな価値を生み出すことです。製品やサービスを革新するプロダクトイノベーションや、製造・業務の方法を革新するプロセスイノベーションなどがあります。
最終更新日:2026年10月9日
このページで覚えること
このページでは、次の3点を押さえます。
- イノベーションの意味と、プロダクト・プロセス、クローズド・オープンの違い
- アイデアソンとハッカソンの特徴
- 持続的イノベーション、破壊的イノベーション、イノベーションのジレンマの関係
導入トーク

清家奈津子
今回は、イノベーションについて学習します。

清家奈津子
バロンくんは貴族から宇宙海賊になってしまったんですね。

清家奈津子
冗談ですよ。

清家奈津子
そうですね。学習する内容は、プロダクトイノベーション、プロセスイノベーション、クローズドイノベーション、オープンイノベーション……

清家奈津子
大丈夫ですよ。
今回はセットで覚えれば、覚える数は少ないですから、安心してください。

清家奈津子
そうですか?
今回は、プロダクトイノベーションやプロセスイノベーションから始めます。

清家奈津子
名前は長いですが、何を変えるのかを比べると分かりやすいですよ。
タコの唐揚げを例にしてみましょうか。

清家奈津子
よかったです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
STEP 1
イノベーション

清家奈津子
と言いつつも最初はイノベーションからです。
イノベーションは、新しい技術やアイデアを製品・サービスや仕事の仕組みなどに取り入れ、新たな価値を生み出すことです。

清家奈津子
例えば、電子レンジで温めるだけで、専門店で揚げたような食感を楽しめる、新しい冷凍タコ唐を開発したとしましょう。
それを販売すれば、お店に行けない人も、自宅で手軽においしいタコの唐揚げを楽しめますね。

清家奈津子
はい。
これまで難しかったことをできるようにしたり、不便だったことを便利にしたりすることが、新たな価値につながります。
仕事の方法を変えて、作業時間や無駄を大きく減らすことも、イノベーションの例です。

清家奈津子
そのとおりです。
イノベーションは「技術革新」と説明されることもありますが、製品やサービス、仕事の仕組みなど、幅広い変化を含みます。
また、既にある技術やアイデアを、新しい形で組み合わせることから生まれる場合もあります。

清家奈津子
それは、イノベーションにつながる大切なアイデアですね。
そこから実際に商品やサービス、仕事の仕組みとして使えるようにして、新しい価値につなげていきます。
ここで覚えること
- イノベーションは、新しい技術やアイデアなどを活用して、新たな価値を生み出すこと。
- 製品・サービスだけでなく、仕事の方法や仕組みの革新も含まれる。
- アイデアを、実際に使える製品や仕組みなどにつなげることが大切。
STEP 2
プロダクトイノベーションとプロセスイノベーション

清家奈津子
次は、何を変えるのかという視点で、イノベーションを見ていきましょう。
プロダクトイノベーションは、新しい製品やサービスを生み出したり、既存の製品やサービスの機能・性能などを大きく向上させたりすることです。

清家奈津子
はい。その例ですね。
お客さんに提供する、商品そのものに新しい価値を加えています。
プロダクトは「製品」という意味ですが、ここでは、新しいアプリやサービスなども対象になります。

清家奈津子
今度はプロセスイノベーションです。
プロセスイノベーションは、製造方法や業務の進め方などを革新することです。
プロセスは「過程」や「手順」という意味です。
例えば、唐揚げ専門店で、注文受付から調理、商品の受け渡しまでを連動させる仕組みを導入したとしましょう。
注文に合わせて揚げる数量や順番を調整できるようになり、待ち時間や作り過ぎを大幅に減らせれば、仕事の進め方を革新したことになります。

清家奈津子
そのとおりです。
製造の自動化や、配送の仕組みの改善なども、プロセスイノベーションにつながります。
| 種類 | 主に変えるもの | 例 |
|---|---|---|
| プロダクトイノベーション | 製品・サービスそのもの | 温めるだけで揚げたての食感を楽しめる、新しい冷凍食品を開発する |
| プロセスイノベーション | 製造方法や業務の進め方 | 注文と調理を連動させ、待ち時間や作り過ぎを大幅に減らす |

清家奈津子
はい。その区別で押さえましょう。
ここで覚えること
- プロダクトイノベーション=製品・サービスの革新。
- プロセスイノベーション=製造方法や業務の進め方の革新。
- 「何を変えているのか」に注目して区別する。
STEP 3
クローズドイノベーションとオープンイノベーション

清家奈津子
次は、誰の知識や技術を使って取り組むのかという視点です。
クローズドイノベーションは、自社の人材や技術などを使い、研究開発などを自社内で進める方法です。

清家奈津子
はい。
例えば、食品会社が、自社の研究員と調理担当者だけで、新しい冷凍タコ唐の製法を開発するような場合です。
技術やノウハウを社内で管理しやすい一方、自社が持つ知識や人材だけでは、解決しにくい課題もあります。

清家奈津子
そうですね。そこで、社外の力を生かす方法も考えられます。
それがオープンイノベーションです。

清家奈津子
オープンイノベーションは、他社や大学、研究機関などと連携し、社内外の技術や知識、アイデアを活用して、新たな価値を生み出す方法です。
例えば、自社の調理技術に、冷凍技術を持つ企業の力や、食品を研究する大学の知識を組み合わせて、新商品を開発します。

清家奈津子
はい。その理解で大丈夫です。
異なる分野の知識を組み合わせることで、自社だけでは思い付かなかった商品やサービスにつながることもあります。

清家奈津子
共有する情報や技術の使い方を決めて、協力する相手と連携します。
すべてを誰にでも公開するという意味ではありませんから、そこは安心してください。

清家奈津子
よかったです。
クローズドイノベーションとオープンイノベーションには、それぞれ次のようなメリットとデメリットがあります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| クローズドイノベーション | 技術やノウハウを社内で管理しやすい。 | 自社にない知識や技術を取り入れにくい。 |
| オープンイノベーション | 社外の知識や技術を活用し、自社だけでは難しい開発につなげやすい。 | 情報や技術の管理や、連携相手との調整が必要になる。 |

清家奈津子
はい。どちらにもメリットとデメリットがあります。
目的に合わせて、自社だけで進めるのか、外部と連携するのかを考えることが大切です。

清家奈津子
なお、先ほどのプロダクト・プロセスとは、分類する視点が違います。
例えば、大学と協力して新しい冷凍食品を開発する取組は、商品に注目すればプロダクトイノベーション、社外との連携に注目すればオープンイノベーションと説明できます。
ここで覚えること
- クローズドイノベーション=自社内の人材や技術などを使って進める。
- オープンイノベーション=社内外の技術や知識などを活用し、外部と連携して進める。
- クローズドは管理しやすい一方、外部の知識や技術を取り入れにくい。オープンは外部の力を活用できる一方、情報管理や相手との調整が必要になる。
- プロダクト・プロセスとは、分類する視点が違う。
STEP 4
アイデアソンとハッカソン

清家奈津子
新しいアイデアや試作品を生み出す場として、アイデアソンとハッカソンも押さえましょう。
アイデアソンは、アイディアソンと表記されることもあります。

清家奈津子
まず、アイデアソンは、アイデアとマラソンを組み合わせた言葉です。
あるテーマについて、さまざまな参加者が、限られた時間の中で意見を出し合い、アイデアをまとめて発表するイベントです。

清家奈津子
はい。
例えば、「商店街で、待たずに揚げたての料理を受け取れるようにする」というテーマで考えてみましょう。
お店の人や利用者、技術者などが集まれば、それぞれの立場から困り事や解決方法を出せます。

清家奈津子
では、「到着予定時刻に合わせて調理する予約サービスはどうか」というアイデアにつながるかもしれませんね。
このように、意見を持ち寄って、アイデアを具体的にしていきます。

清家奈津子
一方、ハッカソンは、ハックとマラソンを組み合わせた言葉です。
エンジニアやデザイナーなどがチームを作り、短期間に集中して、アプリやシステムなどの試作品を開発し、成果を発表するイベントです。

清家奈津子
はい。
ここでいうハックは、コンピュータの技術を工夫して使い、新しい仕組みを作ったり、問題を解決したりすることです。
先ほどの予約サービスなら、実際に、受取時刻を指定する画面や、お店に注文が届く仕組みなどを、動かせる試作品にしていきます。
アイデアソンで考えた案を、ハッカソンで形にするような取組もあります。
| 用語 | 主な目的 | 成果の例 |
|---|---|---|
| アイデアソン | アイデアを生み出し、具体化する | 新しい予約サービスの企画 |
| ハッカソン | 短期間で開発し、試作品などを形にする | 実際に操作できる予約アプリの試作品 |

清家奈津子
はい。まずは、その違いを押さえましょう。
こうした場に、社外の人も参加して知識や技術を持ち寄ることは、オープンイノベーションを進めるきっかけにもなります。
ここで覚えること
- アイデアソンは、テーマに沿ってアイデアを生み出し、具体化するイベント。
- ハッカソンは、チームで短期間に集中して開発し、試作品などを作るイベント。
STEP 5
持続的イノベーションと破壊的イノベーション

清家奈津子
ここからは、持続的イノベーションと破壊的イノベーションを見ていきます。
まず、持続的イノベーションは、既存の顧客が求める性能や品質を高めていくイノベーションです。

清家奈津子
はい。その理解で大丈夫です。
ここでは、業務用のフライヤーを作っている、架空のA社で考えましょう。フライヤーは、唐揚げなどを揚げる調理機器ですね。
A社のお客さんである大きな飲食店から、次のような要望が出たとします。
- 一度に、もっと大量の唐揚げを作りたい。
- 油の温度を、もっと正確に調整したい。
- 忙しい時間帯でも、仕上がりを安定させたい。

清家奈津子
そうですね。
A社が、こうした要望に応えて製品の性能を高めていく取組が、持続的イノベーションです。
既存のお客さんが評価している価値を、さらに伸ばしていきます。

清家奈津子
一方、破壊的イノベーションは、安さや使いやすさなどを強みに、既存企業があまり重視していなかった顧客層から広がり、やがて既存の市場や競争関係を変えていくイノベーションです。
先ほどのA社とは別に、新しくB社が登場したとしましょう。
B社は、機能を絞った、小さくて安いフライヤーを売り出しました。

清家奈津子
最初は、一度に揚げられる量も、温度を調整する細かさも、A社の製品に及ばなかったとします。
その代わり、安くて場所を取らず、使い方も簡単です。高価な機器を買えなかった屋台や、小さなお店に選ばれるようになりました。

清家奈津子
はい。
そしてB社が改良を重ね、一般的な飲食店でも十分に使える性能になったら、どうでしょうか。

清家奈津子
そのとおりです。
最初はA社があまり相手にしていなかった市場から始まり、やがてA社のお客さんにも広がっていく。このような流れが、破壊的イノベーションの特徴です。
ここでいう「破壊」は、既存の市場や競争のあり方を変えるという意味です。
| 種類 | 注目する価値 | 例 |
|---|---|---|
| 持続的イノベーション | 既存の顧客が求める性能や品質 | 大きな飲食店の要望に応え、フライヤーを高性能にする |
| 破壊的イノベーション | 安さや手軽さなど、見過ごされていた顧客が求める価値 | 小さなお店向けの安い製品が成長し、既存企業の顧客にも広がる |

清家奈津子
そうですね。
誰が、どのような価値を求めているのかに注目すると、違いが見えてきます。
ここで覚えること
- 持続的イノベーションは、既存顧客が求める性能や品質を高める。
- 破壊的イノベーションは、安さや手軽さなどを強みに広がり、既存の市場や競争関係を変えていく。
- 破壊的イノベーションは、最初から既存製品より高性能とは限らない。
STEP 6
イノベーションのジレンマ

清家奈津子
では、先ほどのA社は、B社のような安い製品を開発しなかったのでしょうか。

清家奈津子
そうですね。
ただ、A社のお客さんは、高性能な機器を求めています。A社にとっては、そうしたお客さん向けの製品を開発する方が、大きな売上や利益を期待できます。
一方、小さなお店向けの安い製品は、最初は市場も小さく、将来どこまで成長するのかも分かりません。A社の今の事業と比べると、利益を上げにくいと考えられます。

清家奈津子
はい。
その結果、開発に使えるお金や人材を、高性能な製品に集中させ、新しい市場への取組を後回しにしてしまうのです。
ところが、その間にB社の製品が成長すると、A社は対応が遅れて、お客さんを奪われることになります。

清家奈津子
そうなんです。
このように、既存顧客への対応や現在の利益を重視することで、破壊的イノベーションへの対応が遅れ、優良企業でも競争力を失ってしまうことを、イノベーションのジレンマといいます。
流れを整理すると、次のようになります。
- 既存のお客さんは、さらに高性能な製品を求める。
- 企業は、その要望に応える開発を優先する。
- 別の企業が、安さや手軽さなどを強みに、新しい顧客層から成長する。
- 対応が遅れた既存企業が、お客さんを奪われる。

清家奈津子
今のお客さんに応えることも、とても大切です。
そのうえで、今は小さい市場や、まだ自社のお客さんになっていない人のニーズにも目を向ける必要があるのですね。

清家奈津子
はい。
ジレンマとは、どちらを選んでも別の問題が生じて、簡単には決められないような状況のことです。
既存のお客さんが求める製品に人やお金を使えば、現在の売上や利益につながりやすくなります。
一方、将来大きく成長するかもしれない新しい市場にも対応しようとすれば、まだ利益につながるか分からない段階から、人やお金を使わなければなりません。

清家奈津子
そうですね。
現在の事業を大切にしながら、将来大きく成長するかもしれない新しい技術や市場にも対応しなければならない。そこに、このジレンマの難しさがあります。
試験では、単に「新しい技術についていけなかった」という話ではなく、既存顧客や現在の利益を優先する合理的な判断が、新しい市場への対応を遅らせるという関係を押さえましょう。
ここで覚えること
- イノベーションのジレンマは、既存顧客や現在の利益を重視することで、破壊的イノベーションへの対応が遅れること。
- 技術力のある優良企業でも、合理的な経営判断によって競争力を失う場合がある。
- 現在の事業を重視しながら、新しい技術や市場にも対応しなければならない難しさがある。
STEP 7
今日のまとめ

清家奈津子
今回の学習内容を整理しましょう。
イノベーションは、新しい技術やアイデアなどを、実際の製品・サービスや仕事の仕組みに取り入れ、新たな価値を生み出すことでした。
イノベーションの種類は、どの視点から見ているのかを考えると整理しやすくなります。
| 分ける視点 | 用語 | 押さえる内容 |
|---|---|---|
| 何を変えるか | プロダクトイノベーション | 製品・サービスそのものを革新する |
| 何を変えるか | プロセスイノベーション | 製造方法や業務の進め方を革新する |
| 誰の力を使うか | クローズドイノベーション | 自社内の人材や技術などを使って進める |
| 誰の力を使うか | オープンイノベーション | 社内外の知識や技術などを活用し、外部と連携する |
| どのような価値で競争するか | 持続的イノベーション | 既存顧客が求める性能や品質を高める |
| どのような価値で競争するか | 破壊的イノベーション | 安さや手軽さなどを強みに広がり、既存の市場を変えていく |

清家奈津子
はい。
また、アイデアを生み出して具体化するイベントがアイデアソン、短期間でアプリなどの試作品を開発するイベントがハッカソンです。

清家奈津子
そのとおりです。
最後に、イノベーションのジレンマも押さえましょう。
既存のお客さんが求める高性能な製品を優先している間に、別の顧客層から成長した企業への対応が遅れてしまう、という話でした。

清家奈津子
そうですね。
既存顧客に応える持続的イノベーションと、新しい市場の変化への対応を、どう考えていくかが大切になります。
試験では、用語の名前だけでなく、具体例を読んで区別できるようにしておきましょう。

清家奈津子
よかったです。
それでは、確認問題です。全部で8問ありますが、今日説明した内容なので安心してください。

清家奈津子
今度こそ、安心してもらえると嬉しいです。
STEP 8
確認問題
学習完了
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確認問題に全問正解すると、講師コインを獲得できます。
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