経営戦略

経営戦略は、企業が目標を達成するために、どのような事業を展開し、競争していくのかという方向性を定めるものです。ここでは、アンゾフの成長マトリクスやポーターの3つの基本戦略、コトラーの競争地位別戦略など、代表的な経営戦略について学習します。

最終更新日:2026年8月22日

このページで覚えること

このページでは、次の12点を押さえます。

  • アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場をそれぞれ「既存」と「新規」に分け、4つの成長戦略に分類する
  • 既存製品と既存市場の組合せを、市場浸透戦略という
  • 新製品と新市場の組合せを、多角化戦略という
  • コストリーダーシップ戦略は、競合他社より低いコストを実現して競争優位を得る戦略
  • 差別化戦略は、競合他社とは異なる独自の価値を提供する戦略
  • 集中戦略は、特定の市場や顧客層に経営資源を集中する戦略
  • 競争地位には、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つがある
  • リーダーは、すべての顧客をターゲットにする全方位戦略や、差別化の効果を弱める同質化戦略を採用する
  • チャレンジャーは、リーダー企業との違いを打ち出す差別化戦略を採用する
  • フォロワーは、成功している企業の戦略を参考にする模倣戦略を採用する
  • ニッチャーは、小さな市場に経営資源を集中するニッチ戦略を採用する
  • ブルーオーシャン戦略は、競争の激しい既存市場から離れ、新しい市場を創造する戦略
清家奈津子

清家奈津子

今回は経営戦略について解説します。

バロン

バロン

経営戦略とは、今回はなかなかハードルが高そうですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

といっても、経営戦略の策定の仕方ではなく、経営戦略に関する知識や用語の解説なので安心してください。

バロン

バロン

ふむふむ、それなら安心ですぞ。とはならないですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

今回は、経営戦略の中でも、どうやって事業を成長させるかという成長戦略と、どうやってライバルに打ち勝つかという競争戦略を中心に学習します。

バロン

バロン

どちらが重要なのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

どちらも重要です。
試験対策の上でも両方重要ですね。

バロン

バロン

実際の説明に入る前に、どれくらいの用語が出てくるか聞いておいても良いですかな?

清家奈津子

清家奈津子

そうですね。
まず、成長戦略としては、アンゾフの成長マトリクスを押さえたいですね。
競争戦略としては、ポーターが提唱した3つの基本戦略と、コトラーの競争地位別戦略は押さえたいです。
他にもブルーオーシャン戦略は押さえたいですね。

バロン

バロン

やっぱり、安心できる要素はなかったですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

一つずつ整理すれば、それほど難しくありませんよ。
たとえば、経営戦略には、「企業戦略」「事業戦略」「機能戦略」というように、階層に分けて考えることがあります。

バロン

バロン

いきなり講義が始まったですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

企業戦略は、会社全体としてどの事業に取り組むかを考える戦略で、全社戦略とも言います。
事業戦略は、それぞれの事業でどう競争するかを考える戦略です。
機能戦略は、営業、マーケティング、生産、人事など、それぞれの機能について考える戦略で、営業戦略やマーケティング戦略といった言い方をします。

バロン

バロン

企業全体の戦略だから企業戦略、事業ごとの戦略だから事業戦略、営業の戦略だから営業戦略、マーケティングの戦略ならマーケティング戦略。
意外と簡単ですな?

清家奈津子

清家奈津子

そうでしょう?
なので、安心して学習してください。
まずはアンゾフの成長マトリクスから見ていきましょう。

アンゾフの成長マトリクス

清家奈津子

清家奈津子

アンゾフの成長マトリクスは、企業がどのように成長していくかを考えるためのフレームワークです。

バロン

バロン

アンゾフとは何ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

アンゾフは、経営戦略の父とも呼ばれる有名な経営学者です。

バロン

バロン

アンゾフ氏が考えたフレームワークだから、「アンゾフの」なのですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。そのとおりです。
アンゾフの成長マトリクスでは、「製品」と「市場」の二つについて、それぞれ「既存」と「新規」に分けます。
実際に表を見てもらう方が分かりやすいので、まずは表を見てください。

アンゾフの成長マトリクスを示した図。市場を既存市場と新市場、製品を既存製品と新製品に分け、市場浸透戦略、新市場開拓戦略、新製品開発戦略、多角化戦略の4つに分類している。
アンゾフの成長マトリクス
バロン

バロン

製品が既存製品と新製品に分かれていて、市場も既存市場と新市場に分かれていますな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
その組合せによって、4つの成長戦略に分類しています。
まず、既存製品を既存市場でさらに販売していくのが「市場浸透戦略」です。

バロン

バロン

既存の商品を、既存のお客さんたちにもっと売るイメージですかな?

清家奈津子

清家奈津子

そのイメージで大丈夫です。
たとえば、広告を増やしたり、キャンペーンを行ったりして、現在の市場で販売量やシェアを増やしていきます。

バロン

バロン

既存の商品を、既存の市場に浸透させていくわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
次に、既存製品を新しい市場へ販売していくのが「新市場開拓戦略」です。

バロン

バロン

これは分かりやすいですな。
既存の商品を、新しい相手に売るために、新しい市場を開拓するわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そういうことです。
たとえば、国内で販売していた商品を海外でも販売するといった場合ですね。
そして、新製品を既存市場へ投入するのが「新製品開発戦略」です。

バロン

バロン

これも分かりやすいですぞ。
既存のお客さんたちに、新しい商品を売るために、新しい商品を開発するわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。
最後に、新製品を新しい市場へ投入するのが「多角化戦略」です。

バロン

バロン

むむむ? 新製品を新市場に投入する。
これがどうして多角化になるのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

「多角化」という言葉は、事業が一つの方向だけではなく、複数の方向へ広がっていくイメージで考えると分かりやすいと思います。
これまで扱っていなかった製品やサービスを、これまで対象としていなかった市場へ展開するということは、既存事業とは異なる新しい事業領域へ進出することになります。
そのため、この組合せを多角化戦略といいます。

バロン

バロン

事業の角が一つではなく、複数の方向に増えていくようなイメージですな。

清家奈津子

清家奈津子

覚え方としては、そのイメージで大丈夫です。

バロン

バロン

なるほどですぞ。つまり、ITの資格スクールを経営しながら、タコの唐揚げ屋さんを展開するような感じですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。製品も市場も新しいので、多角化の例にはなります。
ただ、多角化を考えるときには、既存事業との「シナジー」が得られるかという点も重要になります。

バロン

バロン

シナジーですかな?

清家奈津子

清家奈津子

シナジーは、日本語では相乗効果といいます。
たとえば、既存事業で持っている技術、販売網、ブランド、ノウハウなどを新しい事業にも活用できれば、複数の事業を組み合わせることで、単独で行う以上の効果を得られることがあります。
これを「シナジー効果」といいます。

バロン

バロン

1+1が2より大きくなる、というやつですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。そのイメージです。

バロン

バロン

では、受講生にタコの唐揚げを販売したり、タコの唐揚げを買ってくれたお客さんに体験入学のチケットを配布するとかはどうですかな?

清家奈津子

清家奈津子

それならシナジー効果が期待できるかもしれませんね。
それと、もう一つ関連する言葉として「範囲の経済」があります。

バロン

バロン

範囲の経済ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

複数の製品や事業で、設備、技術、販売網などの経営資源を共通して利用することで、それぞれを別々に行うよりもコストを抑えられる効果です。
コスト面でのシナジー効果と考えてください。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
ところで、この戦略は4つとも覚えないといけないのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。4つとも覚えてください。
ただ、先ほどバロンくんも言っていたとおり、新市場開拓戦略と、新製品開発戦略は分かりやすいので、すぐ覚えられると思います。
既存製品と既存市場の組合せの市場浸透戦略と、新製品と新市場の組合せの多角化戦略を頑張って覚えてください。

バロン

バロン

たしかに市場浸透戦略と多角化戦略は難敵ですな。

清家奈津子

清家奈津子

先ほど紹介した表を参考に覚えるのも良いかもしれませんね。

ここで覚えること

  • アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場を「既存」「新規」に分けて4つの成長戦略に分類する
  • 既存製品 × 既存市場=市場浸透戦略
  • 既存製品 × 新市場=新市場開拓戦略
  • 新製品 × 既存市場=新製品開発戦略
  • 新製品 × 新市場=多角化戦略
  • シナジー効果は、複数の事業などを組み合わせることで、単独で行う以上の効果を得ること
  • 範囲の経済は、複数の製品や事業で経営資源を共通して利用することでコストを抑える効果

ポーターの3つの基本戦略

清家奈津子

清家奈津子

次は、競争戦略です。
まずは、ポーターが提唱した3つの基本戦略を覚えましょう。

バロン

バロン

ポーターも人の名前ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。ポーターは、競争戦略に関する研究の第一人者として知られる経営学者ですね。
ポーターが提唱した3つの基本戦略は、「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の3つです。

バロン

バロン

基本というわりには難しそうですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

では、一つずつ見ていきましょう。
まず「コストリーダーシップ戦略」です。
これは、競合他社より低いコストを実現することで、競争上有利な立場を目指す戦略です。

バロン

バロン

やはり競争戦略といえば、価格競争が基本なのですな。

清家奈津子

清家奈津子

それは少し違いますよ。
コストリーダーシップ戦略を、単純に価格を安くする低価格戦略と考えてはいけません。
重要なのは、競合他社より低いコストで製品やサービスを提供できる体制を作ることです。
単純に販売価格だけを下げれば、利益が減ったり、場合によっては赤字になったりしますよね。

バロン

バロン

安く売る前に、安く作れるようにする必要があるわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
コストが低ければ、価格を下げて競争することもできますし、価格を維持して高い利益を確保することもできます。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
単に価格を安くするのではなく、まずコスト面で有利な立場を作る戦略なのですな。

清家奈津子

清家奈津子

その理解で大丈夫です。
また、低コストを実現する上で重要なのが、「規模の経済」と「経験曲線効果」です。

バロン

バロン

規模の経済はさっきも出てこなかったですかな?

清家奈津子

清家奈津子

先ほどコスト面でのシナジー効果と説明したのは「範囲の経済」ですね。
規模の経済は、スケールメリットとも言いますが、生産量などの事業規模が大きくなることで、製品1個あたりのコストが低下する効果です。

バロン

バロン

たくさん作るほど、1個あたりにかかる設備費などを小さくできるということですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。そのイメージで大丈夫です。
同じ工場や設備を使うのであれば、少ししか作らない場合よりも、大量に作る方が1個あたりの負担を小さくできます。
経験曲線効果は、製品を累積して生産していくことで、作業への習熟や効率化が進み、単位当たりのコストが低下していく効果です。

バロン

バロン

たくさん作ると安くなる規模の経済と、作り続けて慣れると安くなる経験曲線効果、という感じですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。その違いで整理して大丈夫です。
慣れればミスも減るので無駄なコストがなくなりますし、慣れれば慣れるほど作業の効率も上がるので、その分コスト削減につながります。
次は「差別化戦略」です。

バロン

バロン

他社と差別化を図る戦略ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。そのとおりです。
差別化戦略は、品質、機能、デザイン、ブランド、サービスなどで、競合他社とは異なる独自の価値を提供する戦略です。

バロン

バロン

少しくらい高くても、こっちの商品が欲しいと思ってもらうわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そういうことですね。
また、差別化を行う上で重要なのが「コアコンピタンス」です。

バロン

バロン

ホモサピエンスですかな?

清家奈津子

清家奈津子

今、無理やりボケましたね?

バロン

バロン

そ、そんなことないですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

まあ、いいでしょう。
コアコンピタンスは、他社には簡単に真似することができない、自社ならではの強みのことです。
コアが核で、コンピタンスが能力という意味なので、企業の中核となる能力のことですね。

バロン

バロン

なるほどですぞ?
そのコアコンピタンスが、差別化とどう関係してくるのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

差別化戦略は、他社との違いを打ち出す戦略です。
たとえば、他社にはないサービスを始めて差別化を図ったとします。
でも、それが簡単に真似できるサービスであれば、他社もすぐに同じことを始めるかもしれません。

バロン

バロン

せっかく差別化しても、すぐに同じものを出されたら差がなくなってしまいますな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
それに対して、コアコンピタンスを生かして、他社には簡単に真似できない製品やサービスを提供できれば、差別化を維持しやすくなります。

バロン

バロン

なるほどですぞ。
コアコンピタンスそのものが、真似しにくい強みだからですな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
もちろん、差別化戦略にコアコンピタンスが必須というわけではありませんが、重要な要素になることがあるというのは覚えておきたいポイントです。
そして3つ目が「集中戦略」です。

バロン

バロン

何を集中するのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

これは、特定の市場や顧客層に、限られた経営資源を集中させる戦略です。
たとえば、すべての消費者を狙うのではなく、特定の年齢層や地域などに対象を絞って、その市場で競争力を高めます。

バロン

バロン

広く戦わずに、勝負する場所を絞るわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

とても良い理解です。
また、集中戦略では、絞り込んだ市場で低コストを目指すコスト集中と、差別化を目指す差別化集中の2つに細分化されます。
ここまでがポーターが提唱した3つの基本戦略です。
それぞれの特徴は理解できましたか?

バロン

バロン

コストリーダーシップ戦略は、コスト面で優位に立つ。
差別化戦略は、差別化要素を前面に出す。
集中戦略は、経営資源を集中させる。ですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。その整理で覚えてください。

ここで覚えること

  • ポーターの3つの基本戦略は、コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略
  • コストリーダーシップ戦略は、競合他社より低いコストを実現して競争優位を得る
  • 規模の経済は、事業規模が大きくなることで単位当たりのコストが低下する効果
  • 経験曲線効果は、累積した生産経験によって効率化が進み、単位当たりのコストが低下する効果
  • 差別化戦略は、競合他社とは異なる独自の価値を提供する
  • コアコンピタンスは、他社には簡単に真似できない自社ならではの中核的な能力
  • 集中戦略は、特定の市場や顧客層に経営資源を集中する

コトラーの競争地位別戦略

清家奈津子

清家奈津子

次は、コトラーの競争地位別戦略です。

バロン

バロン

やっぱりコトラーも人の名前ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。コトラーも、有名な経営学者ですね。
コトラーは「近代マーケティングの父」や「マーケティングの神様」として知られています。

バロン

バロン

神様と呼ばれるのはすごいですな。

清家奈津子

清家奈津子

競争地位は、競争ポジションということもありますが、市場の中で、その企業がどのような立場にいるかということです。
競争地位は「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」の4つに分けます。

バロン

バロン

また4つも出てきたですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

名前からイメージしやすい内容なので頑張りましょう。
まず「リーダー」です。
リーダーは、その市場で大きなシェアを持ち、業界を主導する立場の企業です。

バロン

バロン

業界をリードするからリーダーというわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
リーダー企業は、市場規模の拡大や業界全体を牽引する役割があります。
また、採るべき戦略としては、市場全体を幅広くカバーする「全方位戦略」が挙げられます。

バロン

バロン

やはり、売上を重視すると市場全体をターゲットにする方が良いのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

はい。
市場のあらゆる顧客ニーズに対応するというのも、リーダーとしての役割の一つですね。
他にも、チャレンジャーが新しい製品やサービスで差別化してきた場合には、それと似たものを提供する「同質化戦略」を採ることもあります。

バロン

バロン

ライバルが新しいことをしてきたら、こちらも同じようなことをするのですな。

清家奈津子

清家奈津子

そういうことです。
リーダーとしての優位な立場を守るための戦略です。
次は「チャレンジャー」です。

バロン

バロン

リーダーに挑戦する企業であってますかな?

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
チャレンジャーは、リーダーとの差を縮めたり、逆転したりすることを目指します。
そのため、リーダーと同じことをするのではなく、「差別化戦略」を採ります。

バロン

バロン

同じことをしていたら、元から強いリーダーには勝ちにくそうですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。そこで、リーダーとは違う価値を打ち出して競争します。
次が「フォロワー」です。

バロン

バロン

きっとSNSのフォロワーとは違う意味ですな?

清家奈津子

清家奈津子

そうですね。
SNSのフォロワーは、ファンとかそういう意味になりますが、こちらは追随する企業という意味合いですね。
フォロワーは、リーダーやチャレンジャーとの正面からの競争を避けて、安定した収益を得ることを重視します。

バロン

バロン

わざわざ強い企業に正面から勝負を挑まないわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
強い企業へ攻撃を仕掛ければ、値下げなどで報復されて、かえって苦しくなることもあります。
そのため、無理にシェアを奪いにいくのではなく、成功している企業の製品や戦略を参考にする「模倣戦略」を採ります。

バロン

バロン

すでに成功しているものを参考にするわけですな。

バロン

バロン

ところで、同質化戦略も模倣戦略も、どちらも真似をする戦略のように見えるですぞ。
この違いは何ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

同質化戦略は、チャレンジャーが打ち出した差別化の効果を弱めるために、似た製品やサービスを投入する戦略です。
一方の模倣戦略は、すでに成功している製品や戦略を参考にすることで、研究開発費や失敗のリスクを抑えることを狙います。

バロン

バロン

同じように真似をしていても、目的が違うわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。
最後が「ニッチャー」です。

バロン

バロン

これは何のことか全く分からないですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

ニッチャーは、大企業があまり狙わないような狭い市場や特定の顧客層に狙いを定める「ニッチ戦略」を採用する企業です。

バロン

バロン

ニッチ戦略を採用するからニッチャーというわけですな。

清家奈津子

清家奈津子

その理解で大丈夫です。
ちなみに、ニッチは「すき間」という意味の言葉なので、大企業があまり狙わないようなニーズとニーズのすき間をニッチといいます。
ということで、競争地位については、地位と採用する戦略をセットで覚えてください。

ここで覚えること

  • 競争地位は、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つ
  • リーダーは、全方位戦略や同質化戦略
  • チャレンジャーは、差別化戦略
  • フォロワーは、模倣戦略
  • ニッチャーは、ニッチ戦略

ブルーオーシャン戦略

清家奈津子

清家奈津子

最後に、ブルーオーシャン戦略を確認しましょう。

バロン

バロン

青い海ですかな?

清家奈津子

清家奈津子

そうですね。
ブルーオーシャン戦略は、競争の激しい既存市場から脱却し、競争のない新しい市場を創造する戦略です。

バロン

バロン

新しい市場を創造する戦略なのですな。
青い海とは関係なさそうですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

ブルーオーシャン戦略では、競争の激しい既存市場を「レッドオーシャン」と呼んでいます。

バロン

バロン

こっちは赤い海ですな。

清家奈津子

清家奈津子

イメージとしては、競争が激しいので、お互いに血を流して戦っているような状態だからレッドオーシャンとなっています。

バロン

バロン

まさか赤が血の色だったとは驚きですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

ブルーオーシャンは、血が流れていない青い海というイメージで、競争のない新しい海を意味しています。

バロン

バロン

ブルーオーシャン戦略は、競争のない青い海を目指そうという戦略なのですな。

清家奈津子

清家奈津子

はい。そのとおりです。

バロン

バロン

ということは、全く新しいビジネスを始める戦略ということですかな?

清家奈津子

清家奈津子

必ずしも、全く新しいビジネスを一から始めるという意味ではありません。
既存の商品やサービスの価値を見直したり、新しい価値を加えたりすることで、これまでとは違う需要や市場を作り出すこともできます。

バロン

バロン

新しい商品を作るというよりも、新しい価値を作って、今までとは違う市場を作るイメージですかな?

清家奈津子

清家奈津子

そのイメージで大丈夫です。
ブルーオーシャン戦略で重要なのが、新しい価値を生み出すことで、これまで存在しなかった需要や市場を作り出す「バリューイノベーション」という考え方です。

ここで覚えること

  • ブルーオーシャン戦略は、競争の少ない新しい市場を創造する戦略
  • 競争の激しい既存市場をレッドオーシャンという
  • ブルーオーシャンでは、新しい価値や需要を生み出すことを目指す
  • 新しい価値を生み出して新しい需要や市場を作り出す考え方を、バリューイノベーションという

今日のまとめ

清家奈津子

清家奈津子

それでは、今日の内容をまとめましょう。

バロン

バロン

今回は覚えることが多かったですが、最初に思っていたほどバラバラではなかったですぞ。
まずアンゾフの成長マトリクスは、製品と市場を、それぞれ既存と新規に分けて考えるのでしたな。

清家奈津子

清家奈津子

そのとおりです。
既存製品と既存市場なら市場浸透戦略、既存製品と新市場なら新市場開拓戦略、新製品と既存市場なら新製品開発戦略、新製品と新市場なら多角化戦略でした。

バロン

バロン

多角化では、既存事業と新しい事業をうまく組み合わせてシナジー効果を生み出せるかも重要でしたな。
それと、経営資源を複数の事業で共通して使ってコストを抑える範囲の経済もありましたぞ。

清家奈津子

清家奈津子

はい。
そして、ライバルとどう競争するかを考えるのが、ポーターの3つの基本戦略でした。

バロン

バロン

コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略ですな。
コストリーダーシップ戦略は、ただ安く売るのではなく、競合他社より低いコストを実現する戦略でしたぞ。

清家奈津子

清家奈津子

低コストを実現する考え方として、規模の経済と経験曲線効果も学習しましたね。

バロン

バロン

規模の経済は、たくさん作ることで1個あたりのコストを下げる。
経験曲線効果は、作り続けて慣れることでコストを下げる、でしたな。

清家奈津子

清家奈津子

その整理で大丈夫です。
差別化戦略では、他社には簡単に真似できない自社ならではの強み、「コアコンピタンス」も出てきました。

バロン

バロン

集中戦略は、広く戦うのではなく、特定の市場や顧客層に経営資源を集中する戦略でしたぞ。

清家奈津子

清家奈津子

そして、企業が市場の中でどのような立場にいるかによって戦略を考えるのが、コトラーの競争地位別戦略です。

バロン

バロン

リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つですな。
リーダーは全方位戦略や同質化戦略、チャレンジャーは差別化戦略、フォロワーは模倣戦略、ニッチャーはニッチ戦略でしたぞ。

清家奈津子

清家奈津子

よく整理できていますね。

バロン

バロン

そして最後がブルーオーシャン戦略ですな。
競争の激しいレッドオーシャンで戦い続けるのではなく、新しい価値を生み出して、新しい市場を作る戦略でしたぞ。

清家奈津子

清家奈津子

その新しい価値を生み出す考え方が、バリューイノベーションでした。

バロン

バロン

最初は用語の数を聞いて絶望しましたが、アンゾフ、ポーター、コトラー、ブルーオーシャンと分けて考えれば、何とか整理できそうですぞ。

清家奈津子

清家奈津子

そうですね。
今回は一つ一つの用語をばらばらに丸暗記するのではなく、「どの理論の、何についての戦略なのか」を意識して覚えてください。

バロン

バロン

分かったですぞ。
ところでLDLAが目指しているのはブルーオーシャンなのですかな?

清家奈津子

清家奈津子

さぁ、どうでしょう……。
個人的な見解ですが、ニッチの方かなと思いますけどね。

確認問題

問1 アンゾフの成長マトリクスにおいて、既存製品を既存市場でさらに販売していく戦略はどれですか?
問2 アンゾフの成長マトリクスにおいて、新製品を新市場へ投入する戦略はどれですか?
問3 複数の製品や事業で設備や販売網などの経営資源を共通して利用し、それぞれを別々に行うよりもコストを抑える効果はどれですか?
問4 競合他社より低いコストを実現することで、競争上有利な立場を目指す戦略はどれですか?
問5 製品を累積して生産することで、作業への習熟や効率化が進み、単位当たりのコストが低下する効果はどれですか?
問6 他社には簡単に真似することができない、自社ならではの中核的な能力を何といいますか?
問7 ポーターの集中戦略についての説明として、最も適切なものはどれですか?
問8 コトラーの競争地位別戦略において、リーダーに対抗するために差別化戦略を採る競争地位はどれですか?
問9 コトラーの競争地位別戦略において、模倣戦略を採る競争地位はどれですか?
問10 ブルーオーシャン戦略についての説明として、最も適切なものはどれですか?