イノベーター理論
イノベーター理論は、新製品を購入したり、新しいサービスを取り入れたりする早さによって、消費者をイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの5つに分類したものです。
最終更新日:2026年10月14日
このページで覚えること
このページでは、次の3点を押さえます。
- イノベーター理論の5つの分類と、それぞれの特徴
- アーリーアダプターとオピニオンリーダーの関係
- キャズムの位置と、広く普及するために必要なこと
導入トーク

永山絵美梨
今回は、イノベーター理論について学習します。

永山絵美梨
そうですね。関係あるといえば関係ありますが、関係ないといえば関係ないですね。

永山絵美梨
イノベーター理論は、エベレット・ロジャーズという人の『イノベーションの普及』という書籍で示された考え方がもとになっています。
そこでは、新しい製品を購入する早さに注目し、消費者を5つのカテゴリーに分類しています。
その中で、周囲の評価がまだ少ない段階でも、リスクを恐れず、積極的に新しいものを採用する人たちをイノベーターと表しました。

永山絵美梨
はい。そのとおりです。
イノベーションの普及過程で、最も早い段階から新しい製品などを採用するのがイノベーターなので、関連性のある言葉です。
ただし、試験対策としては、イノベーションは新しい価値を生み出すこと、イノベーターはイノベーター理論における消費者層の名前として、それぞれ別の用語として整理しておきましょう。

永山絵美梨
どうして勝手に終わろうとしているんですか?
まだ、始まってもいませんよ。

永山絵美梨
このやり取り2度目ですよね?

永山絵美梨
今回も、ビシバシ行きますので覚悟してください。
STEP 1
イノベーター理論

永山絵美梨
イノベーター理論は、新製品を購入したり、新しいサービスを取り入れたりする早さによって、消費者を5つに分類する考え方です。
まずは、こちらの図を見てください。


永山絵美梨
全部で5つの層ですね。
下の数字は、それぞれの層が占める、理論上の割合です。

永山絵美梨
数字まで覚える必要はありませんが、5つの名前と順番、それぞれがどのような特徴を持つのかは覚えてください。
図は、左から右へ、新製品を早く取り入れる人から、遅く取り入れる人の順に並んでいます。

永山絵美梨
はい。
順番に並べると、イノベーター → アーリーアダプター → アーリーマジョリティ → レイトマジョリティ → ラガードとなります。

永山絵美梨
大丈夫です。
英語の意味と、それぞれの人が新製品を購入するときにどのように考えるのかを一緒に見ていけば、整理しやすくなります。

永山絵美梨
そのとおりです。
まずは、特に早い段階で新製品を取り入れる、イノベーターとアーリーアダプターから見ていきましょう。
ここで覚えること
- イノベーター理論は、新製品などを取り入れる早さによって、消費者を5つに分類する。
- 順番は、イノベーター → アーリーアダプター → アーリーマジョリティ → レイトマジョリティ → ラガード
- 割合の数字そのものより、5つの名前・順番・それぞれの特徴を押さえる。
STEP 2
イノベーターとアーリーアダプター

永山絵美梨
最も早く取り入れるのが、イノベーター(Innovator)です。
Innovatorは、革新者という意味です。
新しい製品や技術への関心が強く、まだ周囲の評価が少ない段階でも、自分で試してみようとします。

永山絵美梨
そうですね。
例えば、新しい調理機能を備えた家電を見て、「どんな仕組みなのだろう。早く試したい」と購入する人です。
まだ使い勝手などが十分に分からなくても、新しさに魅力を感じ、積極的に取り入れます。

永山絵美梨
次に早く取り入れるのが、アーリーアダプター(Early Adopter)です。
新製品の価値や、使うことによるメリットをいち早く見いだし、取り入れる人たちです。

永山絵美梨
電源のアダプターはadapterで、ここでのadopterとはスペルも違いますし、別の単語です。
adoptは「採用する」、adopterは「採用する人」という意味です。
earlyは「早い」なので、Early Adopterは、早い段階で採用する人と覚えてください。

永山絵美梨
はい。
そして、アーリーアダプターは、オピニオンリーダーとなることが多いという特徴もあります。

永山絵美梨
Opinionは「意見」、Leaderは「先導する人」という意味です。
オピニオンリーダーは、自分の意見や行動によって、周囲の人の考え方や購入判断などに影響を与える人のことです。

永山絵美梨
そうです。
例えば、家電に詳しい人が新製品を使い、「この機能が便利だった」と周囲に伝えると、その意見が購入を考える材料になります。
「あの人が使ってよかったと言うなら、私も検討してみよう」と、周囲の人の判断に影響するわけですね。

永山絵美梨
アーリーアダプターは、自分が早く取り入れることに加えて、オピニオンリーダーとして周囲に影響を与えることが多いと押さえましょう。
ここで覚えること
- イノベーター=革新者。新しい製品や技術に強い関心を持ち、いち早く取り入れる。
- アーリーアダプター=初期採用者。新製品の価値を見いだし、早い段階で取り入れる。
- adopt=採用する、adopter=採用する人
- アーリーアダプターは、オピニオンリーダーとして周囲の購入判断に影響を与えることが多い。
STEP 3
アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ・ラガード

永山絵美梨
次は、アーリーマジョリティ(Early Majority)です。
先に使った人の評価や、実際に役立っているという実績を確かめてから、比較的早い段階で取り入れます。

永山絵美梨
はい。
例えば、新しい調理家電について、使っている人の感想や使いやすさを確認し、「これなら自分の家でも便利に使えそうだ」と購入する人です。
Majorityは、多数派という意味です。
Early Majorityは、多数派の中でも早く取り入れる側と覚えるとよいでしょう。

永山絵美梨
その次が、レイトマジョリティ(Late Majority)です。
Lateは「遅い」という意味なので、多数派の中でも遅く取り入れる側です。
新製品に対して慎重で、周囲の多くの人が使うようになってから、必要性や安心感を得て取り入れます。

永山絵美梨
そうですね。
最初の図の中央にある、アーリーマジョリティとレイトマジョリティは、それぞれ34%です。
合わせると68%になり、市場の大きな部分を占めます。

永山絵美梨
最後が、ラガード(Laggard)です。
従来の製品や方法を重視し、新製品を取り入れる時期が最も遅い人たちです。
Laggardは、遅滞者という意味です。
言葉はよくありませんが、「のろま」のような意味を持つ言葉でもあります。
流行や新しいものに対して反応が遅く、なかなか取り入れない人というイメージですね。

永山絵美梨
そうですね。
ここでは、新製品を取り入れる時期が最も遅い層と覚えてください。
また、lagには「遅れる」という意味があります。

永山絵美梨
はい。その「遅れ」と結び付けると、Laggardの位置も思い出しやすいですね。
ここで覚えること
- アーリーマジョリティ=多数派の早い側。評価や実績を確かめて取り入れる。
- レイトマジョリティ=多数派の遅い側。周囲に広く普及してから取り入れる。
- ラガード=取り入れる時期が最も遅い層。従来の製品や方法を重視する。
- lag=遅れると結び付けると、ラガードを覚えやすい。
STEP 4
キャズム

永山絵美梨
ここまで、新製品を取り入れる早さによる、5つの分類を見てきました。

永山絵美梨
そう期待したくなりますね。
ところが、最初の人たちには支持されても、その後の多数派には購入してもらえず、普及が進まなくなることがあります。
そこで押さえたいのが、キャズムです。

永山絵美梨
キャズム(Chasm)は、深い溝や隔たりという意味です。
新製品の普及では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある、大きな隔たりを指します。
こちらの図を見てください。


永山絵美梨
はい。
図の左側にある、イノベーターとアーリーアダプターからなる市場を、初期市場と呼びます。
そこから、図の右側にある、多数派が中心となるメインストリーム市場へ広げる際の壁を、この溝で表しています。

永山絵美梨
購入を決めるときに重視することが違うためです。
| 比較する層 | 購入するときに重視すること |
|---|---|
| アーリーアダプター | 新しい製品がもたらす価値や、将来の可能性 |
| アーリーマジョリティ | 実際に役立つという実績や、安心して使えること |

永山絵美梨
例えば、新しい調理家電に、これまでにない機能があるとしましょう。
アーリーアダプターは、「この機能があれば、料理の仕方が大きく変わりそうだ」と、可能性に魅力を感じます。
一方、アーリーマジョリティは、「毎日の料理で本当に役立つのか」「操作や手入れは簡単なのか」「困ったときに相談できるのか」といったことを確かめたいのです。

永山絵美梨
そうですね。
そのため、初期の人たちに響いた「画期的な機能です」という説明を繰り返すだけでは、多数派の購入につながらないことがあります。
キャズムを越えるには、誰の、どのような困り事を解決するのかを明確にし、便利さと安心して使える理由を示すことが重要です。
例えば、次のように取り組みます。
- 対象となる顧客や用途を絞る。「忙しい家庭の夕食づくり」など、解決する課題を具体的にする。
- 使いやすさや支援を整える。簡単に使える操作方法、分かりやすい説明、問い合わせ対応などを用意する。
- 実際に役立った事例を示す。同じような家庭で、どのように使われ、何が便利になったかを伝える。

永山絵美梨
はい。
製品を広く普及させるには、購入する人たちの重視する点に合わせて、製品の提供方法や伝え方を考えることが大切です。
ここで覚えること
- キャズム=新製品が初期市場からメインストリーム市場へ広がる際の、大きな隔たり。
- 位置は、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間。
- 新しさや可能性に加え、具体的な使い道、実績、使いやすさ、支援などが重要になる。
STEP 5
今日のまとめ

永山絵美梨
今回は、イノベーター理論とキャズムを学習しました。
5つの分類は、名前の意味と特徴を結び付けて整理しましょう。
| 分類 | 日本語での呼び方 | 覚え方 |
|---|---|---|
| イノベーター | 革新者 | 新しい物好きで、いち早く試す |
| アーリーアダプター | 初期採用者 | 早い段階で採用し、周囲に影響を与えることが多い |
| アーリーマジョリティ | 前期追随者 | 多数派の早い側。評価や実績を確かめる |
| レイトマジョリティ | 後期追随者 | 多数派の遅い側。周囲への普及を見て取り入れる |
| ラガード | 遅滞者 | 従来の方法を重視し、最後に取り入れる |

永山絵美梨
そうですね。
アーリーアダプターについては、オピニオンリーダーとなって周囲の購入判断に影響を与えることが多い点も覚えておきましょう。

永山絵美梨
そのとおりです。
早く取り入れる人たちに売れた後、多数派にも購入してもらうには、実績や使いやすさなど、安心して選べる理由が必要になります。

永山絵美梨
そういっても、バロンくんは「新作のタコ唐」というだけで飛びつきそうですね。

永山絵美梨
それなら、新作のタコ唐を買うときは、イノベーターに分類されそうですね。

永山絵美梨
これで、イノベーターの特徴はしっかり理解できましたね。
ほかの4つの分類とキャズムも覚えられているか、確認問題で確かめてみましょう。
STEP 6
確認問題
学習完了
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