STP分析

STP分析は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3ステップで、マーケティング戦略を立案するフレームワークです。

最終更新日:2026年10月12日

このページで覚えること

このページでは、次の3点を押さえます。

  • セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの意味と違い
  • 市場を細分化する基準と、狙う市場を選ぶときの考え方
  • 競合との違いを明確にするポジショニングと、ポジショニングマップ
永山絵美梨

永山絵美梨

今回は、STP分析について学習します。

バロン

バロン

また分析手法ですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。
といっても、STPマーケティングともいうので、分析というよりはマーケティング戦略を立案するための方法論といった感じです。

バロン

バロン

バロンが商売をするときにも役立ちそうですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。例えば、新しいバッグを販売するとしたら、どのような人に買ってもらいたいですか?

バロン

バロン

もちろん、全員ですぞ。

永山絵美梨

永山絵美梨

ずいぶん大きく出ましたね。
では、そのバッグで、どのような人の、どのような困り事を解決しますか?

バロン

バロン

急に具体的な話になりましたぞ。

永山絵美梨

永山絵美梨

そこを具体的にしていくのが、今回の学習です。
同じバッグでも、通学に使いたい人と、山登りに使いたい人では、求めるものが違いそうですよね。

バロン

バロン

たしかに、教科書を入れるのか、登山道具を入れるのかで違いますな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。今回は、架空のバッグメーカーが新商品を考える例で、STP分析を学習していきましょう。

バロン

バロン

80億総顧客化計画は、どうなりますかな?

永山絵美梨

永山絵美梨

志の大きさは伝わりました。まずは、買ってくれそうなお客さんを思い浮かべるところから始めましょう。

STP分析

永山絵美梨

永山絵美梨

STP分析は、「誰に、どのような価値を提供するか」を明確にするためのフレームワークです。
STPは、次の3つの言葉の頭文字を取っています。

頭文字用語主に行うこと
SSegmentation:セグメンテーション市場を細分化する
TTargeting:ターゲティング狙う市場を選ぶ
PPositioning:ポジショニング顧客から見た、競合との違いや自社の立ち位置を明確にする
バロン

バロン

最初の「市場を細分化する」というのは、どういうことですかな?

永山絵美梨

永山絵美梨

お客さんを、求めるものや特徴が似たグループに分けて考えることです。
例えば、バッグを買う人にも、「仕事で使いたい人」「学校で使いたい人」「旅行で使いたい人」などがいますね。

バロン

バロン

さっき言ってた話ですな。
お客さんを分けることが、市場を細分化するということなのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。その中から、自社が特に商品を届けたいグループを選びます。
そして、その人たちに、競合の商品と比べてどのような魅力で選んでもらうかを考えます。

バロン

バロン

市場を分けて、ターゲットを決めて、選ばれるための違いを考えるのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

その理解で大丈夫です。
この流れを踏むことで、商品の特徴や広告で伝える内容にも、一貫した方針を持たせやすくなります。

ここで覚えること

  • STP=セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
  • 基本の流れは、市場を分ける → 狙う市場を選ぶ → 競合との違いを明確にする。

セグメンテーション

永山絵美梨

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最初は、セグメンテーションです。
顧客の特徴やニーズなどを基準に、市場をいくつかのグループに分けることをいいます。市場細分化とも呼ばれます。

バロン

バロン

どのような基準で分ければよいのですかな?

永山絵美梨

永山絵美梨

年齢や住んでいる地域、生活スタイル、商品を使う目的など、さまざまな基準があります。
代表的なものを整理すると、次のようになります。

基準分けるときに注目するもの具体例
地理的基準地域、気候など雨が多い地域、都市部、郊外
人口統計的基準年齢、職業、所得、家族構成など学生、会社員、子育て世帯
心理的基準価値観、好み、ライフスタイルなど流行を重視する人、環境への配慮を重視する人
行動的基準利用目的、利用頻度、購買行動など通勤で毎日使う人、旅行のときに使う人
バロン

バロン

思った以上に沢山の基準がありますな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。もっと言えばさらに細かく分かれます。
例えば、同じ会社員でも、毎日ノートパソコンを持ち歩く人と、財布とスマートフォンだけで出掛ける人では、必要なバッグが違いますよね。

バロン

バロン

たしかに同じ会社員だからといって、皆が同じバッグが欲しいとはならないですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そのとおりです。
大切なのは、商品に求めるものの違いが分かるように分けることです。複数の基準を組み合わせて考えることもできます。

永山絵美梨

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今回のバッグなら、例えば次のような顧客層が考えられます。

顧客層の例バッグに求めるものの例
教科書や教材を持ち歩く学生収納力、丈夫さ、買いやすい価格
ノートパソコンを持ち歩く通勤者パソコンの保護、雨への強さ、仕事に合う見た目
日帰りの登山を楽しむ人背負いやすさ、雨への強さ、登山道具の収納
バロン

バロン

こうして分けると、求めるものの違いが見えてきますな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。
また、細分化した一つ一つのグループを、セグメントといいます。

バロン

バロン

分けることがセグメンテーションで、分けたグループがセグメントですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。ここではまず、顧客の違いを整理しています。次に、その中から自社が狙う市場を選びます。

ここで覚えること

  • セグメンテーション=市場の細分化。
  • 地域、年齢、価値観、利用目的などを基準に分ける。
  • 細分化した一つ一つのグループを、セグメントという。

ターゲティング

永山絵美梨

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次は、ターゲティングです。
セグメンテーションで細分化した市場の中から、自社が狙う市場を選びます。この選んだ市場を、標的市場といいます。

バロン

バロン

どのお客さんに向けて商品を作るか、ターゲットを決めるのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そのとおりです。
今回は、このバッグメーカーが、水の入りにくい素材や縫製の技術を得意としていることにしましょう。

バロン

バロン

雨に強いバッグを作れそうですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。そこで、「雨の日もノートパソコンを持って通勤する人」を、狙う顧客層の候補にします。
ただし、得意な技術があるだけで決めるのではなく、次のような点も考えます。

  • 需要:そのようなバッグを欲しがる人が、十分にいるか。
  • 競合:既にどのような商品があり、自社が選ばれる余地があるか。
  • 自社の強み:顧客の求める商品を、自社の技術や人材で提供できるか。
  • 採算:顧客が買いたいと思う価格で販売し、利益を得られるか。
バロン

バロン

人数が一番多いグループを選べばよい、というわけではないのですかな?

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。人数が多くても、競合が強かったり、自社では要望に応えられなかったりすることがあります。
市場の魅力と、自社の強みの両方を見て選ぶことが大切です。

バロン

バロン

お客さんがいることと、自分たちが選ばれることは、分けて考える必要があるのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。今回は、それらを検討した結果、「雨の日もノートパソコンを持って通勤する人」を標的市場に選んだことにしましょう。

バロン

バロン

そうすると、学生には売らないのですかな?

永山絵美梨

永山絵美梨

学生が買っても、もちろん構いません。
ターゲティングは、どのような顧客に特に選んでもらいたいかを決め、商品作りや広告の方針を明確にすることです。

バロン

バロン

誰に向けて考えるかを、はっきりさせるのですな。

ここで覚えること

  • ターゲティング=細分化した市場から、狙う市場を選ぶこと。
  • 選んだ市場を、標的市場という。
  • 需要や競合、自社の強み、採算などを考えて選ぶ。

ポジショニング

永山絵美梨

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最後は、ポジショニングです。
狙う顧客にとって、自社の商品が競合の商品と比べてどのような特徴や価値を持つのか、市場での立ち位置を明確にします。

バロン

バロン

市場でのポジションを決めるから、ポジショニングなのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そのとおりです。
今回は、「雨の日もノートパソコンを持って通勤する人」を狙うのでしたね。
ただ、競合も雨に強い通勤用バッグを販売しているとしたら、雨への強さだけでは、自社の商品を選んでもらう理由が伝わりにくくなります。

バロン

バロン

同じようなバッグが並んでいたら、どれを買えばよいか迷いそうですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。そこで、価格や見た目、高級感などにも注目します。
同じ雨に強い通勤用バッグでも、例えば次のような立ち位置が考えられます。

立ち位置の例顧客に伝える魅力
低価格の実用路線必要な機能がそろっていて、安く買える
デザイン重視の路線服装に合わせやすく、おしゃれに持ち歩ける
高級路線上質な素材や丁寧な仕立て、ブランドの特別感を楽しめる
バロン

バロン

同じ用途でも、安さで選ぶ人もいれば、見た目や高級感で選ぶ人もいるのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。自社の強みと顧客の好みを考えながら、どのような魅力で選んでもらうかを決めていきます。

バロン

バロン

バロンには、やはり高級路線が似合いますな。

永山絵美梨

永山絵美梨

では、価格も高級路線でよろしいですか?

バロン

バロン

そこは、親しみやすい路線でお願いしたいですぞ。

永山絵美梨

永山絵美梨

見た目にはこだわりたいけれど、予算にも限りがあるということですね。
今回の通勤者にも、そうした人がいるかもしれません。

永山絵美梨

永山絵美梨

そこで自社は、「雨への強さを備え、手頃な価格でおしゃれを楽しめる通勤バッグ」という立ち位置を目指すことにしましょう。
価格の安さを前面に出す競合に対してはデザインの良さを、高級ブランドに対しては買いやすさを、選ぶ理由として伝えます。

バロン

バロン

競合と比べながら、自社のバッグならではの魅力をはっきりさせるのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そのとおりです。
大切なのは、狙う顧客にとって意味のある違いを明確にすることです。商品の特徴だけでなく、顧客からどう見られたいかまで考えます。

永山絵美梨

永山絵美梨

また、自社と競合の位置関係を整理するために、ポジショニングマップを使うことがあります。
例えば、「価格」と「見た目の印象」など、顧客が重視する2つの基準を縦軸と横軸に取り、商品を配置する図です。

バロン

バロン

図にすると、どの商品と似ていて、どこが違うのか分かりやすそうですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。競合との違いや、自社が目指す立ち位置を整理できます。
そして、決めた立ち位置に合わせて、実際の商品のデザインや価格、広告で伝える内容などをそろえていきます。

ここで覚えること

  • ポジショニング=狙う顧客から見た、競合との違いや市場での立ち位置を明確にすること。
  • 価格、デザイン、高級感など、顧客にとって意味のある違いを考える。
  • ポジショニングマップは、自社と競合の位置関係を図で整理するもの。

今日のまとめ

永山絵美梨

永山絵美梨

今回は、STP分析を学習しました。
バッグの例を振り返りながら、3つの役割を整理しましょう。

ステップ役割今回の例
セグメンテーション市場を細分化する通学、通勤、登山など、用途や求めるものに応じて顧客を分ける
ターゲティング狙う市場を選ぶ雨の日もノートパソコンを持って通勤する人を選ぶ
ポジショニング競合との違いや、自社の立ち位置を明確にする雨に強く、手頃な価格でおしゃれを楽しめる通勤バッグを目指す
バロン

バロン

セグメントに分けて、ターゲットを選ぶのですな。
セグメンテーションとターゲティングの違いが分かりましたぞ。

永山絵美梨

永山絵美梨

はい。そして、選んだ顧客に、どのような魅力で選んでもらうかを考えるのがポジショニングです。
単に「良いバッグを作る」というだけでなく、誰にとって、どこが良いのかを具体的にしていきます。

バロン

バロン

今回なら、雨に強い通勤用バッグの中で、見た目の良さと買いやすい価格を魅力にするのですな。

永山絵美梨

永山絵美梨

そのとおりです。
安さを前面に出す商品や、高級感を重視する商品と比べて、自社の商品をどのような理由で選んでもらうかを明確にしました。

永山絵美梨

永山絵美梨

セグメンテーションでは顧客の違いを捉え、ターゲティングでは需要や自社の強みを考えて狙う市場を選びます。
そして、ポジショニングでは、その顧客にとって魅力のある立ち位置を、競合と比較しながら考えます。

永山絵美梨

永山絵美梨

試験では、用語の意味だけでなく、具体的な取組がS・T・Pのどれに当たるのかを判断できるようにしておきましょう。

バロン

バロン

今回はバッグの話でしたが、タコの唐揚げ専門店を開くときの参考にしたいですぞ。

永山絵美梨

永山絵美梨

そうですね。実際の自分の例に当てはめるとより理解が深まりますね。
その前に、しっかりと理解できているかを確認問題で確認していきましょう。

バロン

バロン

まずは、そちらからですな。

確認問題

問1 STP分析の基本的な順番として、正しいものはどれですか?
問2 バッグの購入者を、通学用、通勤用、登山用などの利用目的に応じたグループに分けた。この取組に該当するものはどれですか?
問3 ターゲティングの例として、最も適切なものはどれですか?
問4 ポジショニングについての説明として、最も適切なものはどれですか?
問5 ポジショニングマップを使うときの考え方として、最も適切なものはどれですか?